ロボットは人間には勝てない。これが結論だ。人的資源はロボットにより改善されるかもしれないが、質的な部分は限界があるだろう。医療向けロボットが今後どこまで普及してくるのだろうか。期待と不安が入り交じるがロボットから目が離せない。
H24年度第1回南勢地区脳卒中フォーラムに参加してきました。
「脳卒中リハビリにおける訓練支援ロボットの活用」
産業医科大学 リハビリテーション医学講座 准教授 和田 太 先生
ポイントを整理
①ロボット訓練(RT)のみよりは通常訓練とロボット訓練を組み合わせて行なう方が効果的。
また下肢より上肢の方が効果的。
②ロボットは杖、装具などセラピストが扱うツールとして考える。
③ロボットは量的な部分は補えるが、おそらく人間には勝てないだろう。
①
片麻痺だけではなく、脊髄損傷の不全麻痺患者に対するBWSTTすら大規模な調査で通常の歩行訓練と比較して効果はないと報告されている。沢山動かすという量的な視点からみれば多少の効果はありそうだ。また患者に動かす意志がなく他動的な運動となる場合はやはり効果は少ないようだ。
②
ロボットは道具だ。つまり難易度を調整する、回数を増やすという考え方。杖や装具と同じように考えればよい。ロボットに支配されるのではなく、セラピストがロボットを支配し患者が少しでも良くなる手段を考えていく。活用するのは僕たちだ。
③
今後、ロボットはどこまで進化していくのだろうか。しかし人間には勝てない。訓練用ロボットから治療用(生活用)ロボットへの応用はありえるのか?介護保険を使用し、ロボットをレンタルする時代。マンパワーを改善するためのロボットなら賛成だ。痙縮はロボットを使いコントロールしていく。伸ばす。曲げる。そのぐらいなら許そう。CPMが出来たとき、「理学療法士はいらなくなる」と言われたそうだ。でも関節可動域訓練は今もセラピストが行なっている。きっとそんなもんだ。
2012年11月10日(土)・11日(日)の2日間に亘り、第28回日本義肢装具学会学術大会が名古屋国際会議場で開催される。ロボット関連の話が多くなりそうだ。当院からも2題。
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安価の上、分かりやすかったです。
中澤公孝の論文はこちら
このような関係はロボットには無理。
愛がある。
BLOGを開設してからちょうど今日で丸2年。
これからも続けていきたいなー。