数年前に名前を入力すると脳内のイメージが表示される「脳内メーカー」が流行った。また川島隆太教授監修の「脳トレ」など「脳」というキーワードは認知度が高まっている。なぜ「脳」が注目されているのか?それは目に見えないからだろう。見えないものには価値がある。どうしてもFRIDAYの袋綴じを思い浮かべてしまうがCTやMRIの時代には脳の形(構造)が中心だったのが、現在はPET・SPECT・NIRSなど脳血流や代謝の状態から、脳の働き(機能)まである程度分かるようになってきている。これからは「社会脳」と言われる対人関係と脳の関係、さらには自我や意欲、自発性など、脳基盤がますます明らかになってくるであろう。
岐阜脳卒中リハビリテーション研究会の代表の坪井氏(Blogはこちら)とお話させてもらったときに、「リハビリテーション分野で必要な脳の知識ってリハビリテーションに必要な全体知識の内の何%なんだろう?」 みたいな話しをした。
「1、5、10% ?」
結論は「知ってて損はない」。
そんなこんなで当院で「脳血管障害における脳画像のみかた」の勉強会を11月に開催する予定なので頭の中を整理します。
Contents
伝えたいこと
① 患者さんを見る前に脳画像を確認し、どんな症状が起こる可能性があるのかを考えること
本日は脳血管障害における画像の特徴をまとめていきます。
脳血管障害におけるCT画像の特徴
高吸収域=白色
低吸収域=黒色
覚え方
出血(しゅけつ)→白色(しろい) *血腫は徐々に吸収され1,2ヶ月後には黒色(低吸収域)へ
梗塞(Kousoku)→黒色(Kuroiro) *発症後24時間くらいは表れないので注意。
脳血管障害のMRI画像の特徴は?
左からT2→T1→FLAIR
高信号強度=白色
低信号強度=黒色
T2強調画像
病変の描出
梗塞=白色 出血=白(発症直後)黒(血腫吸収後)
T1強調画像
解剖学的構造の描出
梗塞=黒色 出血=白(発症直後)黒(血腫吸収後)
FLAIR
脳室周囲や白質の病変
陳旧性病変の描出
閉塞血管の描出
梗塞=白色
拡散強調(DWI)
急性期病変(主に脳梗塞)の描出
梗塞=白色
MRA(MR angiography)
造影剤を使わずに血管撮影が出来る
参考URL
http://www011.upp.so-net.ne.jp/konkonfj8/ct1.html CTの特徴
http://citec.fc2web.com/shiryou/rinshou-j/mr081018/mr081018.htm 頭部MRI検査で分かること
他にも記事を書きました。
参考書
医学書院
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字が多く分かりにくい。
この本からは画像所見→治療の流れは僕には見えてこなかった。
紅葉
山レコを書くレジェンドannyonさんと七曜岳山頂にて
次回は画像の読影のポイントをまとめます。