Vol.192 大腿骨頚部骨折患者のリハビリテーションの再考②術式

$KENJIのブログ

大腿骨頚部骨折は70歳ごろから急激に増加する。
本日は術式について共有します。

大腿骨頸部骨折はGardenの分類、大腿骨転子部骨折はEvansの分類がよく用いられます。

腿骨頚部骨折の術式

大腿骨頚部骨折の術式

① Hansson pin (ハンソンピン)ガーデンstageⅠ、Ⅱ(写真左)

インナーピンとアウターピン、2本のピンによる固定。
2本のピンを平行に挿入することによってピンのスライドが許容され、骨折部に持続的な圧迫が加わる。

② Cannulated cancellous hip screw (CCHS)ガーデンstageⅠ、Ⅱ (写真中央)

2,3本のスクリューによる固定法。スクリューの先端部にネジ山があるため、ネジ山が骨折線を越えて骨頭内に入ると骨折部に持続的な圧迫が加わる。

①と②に間に適応や術後成績に明らかな違いはない。骨頭の回旋転位を防止しつつ、骨折部への持続的な圧迫を加えることで骨癒合をうながす方法。

③ Bipolar Hip Arthroplasty(BHA;人工骨頭置換術)ガーデンstageⅢ、Ⅳ (写真右)

大腿骨頭をインプラントに置換する方法。インナーヘッド、アウターヘッド、ステムの3つのパーツから構成され、2つのヘッドをもつことでBipolar(双極)と呼ばれる。

④ Unipolar hip arthroplasty

これで脱臼するからBHAを用いることが多くなった。

腿骨転子部骨折の術式

大腿骨頚部骨折の術式

エンダーピン

⑤ Compression hip screw(CHS) 安定型 エバンスグループ1,2

骨頭のラグスクリューと大腿外側のプレート、骨幹部のスクリューで固定する方法。ラグスクリューとプレートはスライドする構造になっており、荷重や筋力の作用によって持続的な圧迫が加わる。

⑥ short femoral nail (γ-ネイル) *不安定型を含めた全部

骨頭のラグスクリューと大転子先端から髄内釘、骨幹部のスクリューで固定する方法。ラグスクリューのスライド機構によって、荷重や筋力の作用で骨折部に持続的な圧迫が加わる。

⑤と⑥も術後のリハビリや機能回復に差はないと報告されている

⑦ Ender nail 安定型 エバンスグループ1,2

3本の細い随内釘を大腿骨顆上部内側から骨頭に向かって打ち込み固定する方法。

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