Vol.214 リハビリテーション分野における統計学②

 

サッカー解説者のセルジオ越後氏は、サッカー教室の生徒に「教えて」と言われても、「ヤダ」と言って教えないそうです。理由は、教えてしまうと、"次もまた聞けばいい"と思って、教えられるのを待つ子になる。教えなければ、子どもは自分の力で必死で技術を研究するそうです。

大人でも同じように、まわりから情報をもらうだけでは、自分の頭では考えなくなってしまうと言います。自分の考えをしっかりと持ち、突き進むことで成長することへと繋がります。

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この本からも、受動的ではなく、能動的になるための行動ヒントを教えていただきました。

統計学の続きです。

統計学のその他の記事

②用語の確認と③信頼性と妥当性をまとめていきます。

用語の確認

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私自身も改めて調べてみると知ったふりをしていた用語もいくつかありました。

尺度

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セラピストの扱う評価は順序尺度のものが多いです。

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順序尺度は中央値が使われることが多い。
何でも平均値ではありません。

正規分布=平均値±SD
正規分布に従わない=中央値(第1四分位点~第3四分位点)

 中央値

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第1四分位点(25%点):全データ数の25%番目にくる値

第3四分位点(75%点):全データ数の75%番目にくる値

グラフは平均値が棒グラフを使用するのに対して、中央値は「箱ヒゲ図」が適切です。

主にカテゴリ変数や正規分布していないデータに中央値と使用されます。

正規分布

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統計ソフトで判断できますが、私の経験上、数十人の評価では正規分布になることは少ない印象です(Shapiro-Wilk検定)。

標準偏差

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標準偏差は「正規分布」しているデータに対して使用されます。

1×SDの範囲(±1SD)には全データの68.2%が含まれます。

例えば、平均体重80kg SDは5kg1×5=5 ±5だから、75kgから85kgまでの間に68.2%が含まれているということになります。

信頼区間

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最近では検定の結果p以外に、信頼区間も併記することが要求されています。
95%信頼区間や99%信頼区間が用いられ、95%または99%の確率で、母集団の平均や平均の差が存在する範囲を表します。
有意差があり・なしではなく、より詳細に値を推定します。

帰無仮説 対立仮説

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帰無仮説 = 期待していない仮説。
対立仮説 = 期待している仮説。

P値

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帰無仮説が正しいかどうかを知りたいときに用いる確率
統計量を0から1に数値に変換しているだけ。
確率をみるもので、差の大小を表すものではない。

例えば、P=0.5 は 10回中5回起こる。つまり1/2となる。
P=0.05は10回中0.5回起こる。 つまり1/20 となる。
この値を「統計的に有意」であるとされる。

パラメトリック検定
正規分布間隔尺度、比率尺度
有意差が出やすい。
使用条件として n 数25名以上。

ノンパラメトリック検定
正規分布に従わない名義尺度、順序尺度
有意差が出にくい。使用条件なし。

検出力分析

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実際はあらかじめn数を決めておく必要がある。
今回は詳しく解説しないので、以下のURLをクリック。

http://www.mizumot.com/files/EffectSize_KELES31.pdf#search='研究論文における効果量の報告'
研究論文における効果量の報告のために―基礎的概念と注意点―
水本 篤 (流通科学大学) 竹内 理 (関西大学)

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パラメトリック検定
目安としては25
症例数に関わらず、正規分布に従うデータにはパラメトリック検定が適用となる。

ノンパラメトリック検定
Wilcoxon検定:6
Mann-Whitny検定:1標本につき4
Spearmanの相関係数:5

信頼性と妥当性

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理解していないと、間違った解釈をしてしまいます。

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これはかなり大切なことだと感じています。

信頼性

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主に再現性が使われます。

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再現性

Cohenのk(カッパ):順序カテゴリ
級内相関係数(ICC):連続データ、数値

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検者内信頼性 ICC(1,1)
1回目と2回目の測定に差はないか?

検者間信頼性 ICC(2,1)
AさんとBさんの測定に差はないか?

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0.7以上を目指しましょう。

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0.7以上を目指しましょう。

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ICCだけで判断するのは危険であり、標準誤差(SE)や生データを観察する必要性がある。

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Q 「計測は2回の平均値でいいんですか?」と聞かれたらなんと言いますか?

SB(Spearman-Brown)公式っていうものがあります。

ある測定を行ってICC(1.1)がp2=0.7だったと仮定すると、目標を0.9以上とする場合、この値を得るためには何回測定の平均を用いるのか?

K=p1(1-p2)
p2(1-p1)

K=0.9(1-0.7)
0.7(1-0.9) =3.85回

A 「4回の平均値を採用すれば信頼性の高い値」となるわけです。

妥当性

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妥当性にも色々あります。

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AとBのテストの妥当性は?と聞かれたらどうしますか?
主に相関係数が用いられます。

統計学を学ぶための本

臨床データの信頼性と妥当性

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SKETCH研究会統計分科会
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信頼性と妥当性を学ぶためならこの本はオススメです。


PTジャーナルの2013年1月号~4月号まで入門講座で統計学が取りあげられています。2月号までは手元にありますが、大変まとまっていて分かりやすいです。

この本は前回も紹介していますが、超オススメです。
統計ソフトもついています(Macには非対応)。

臨床研究のABC

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名郷 直樹
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大変まとまっており、研究を始めるためのノウハウがつまっています。海外文献などの検索方法も分かりやすく記載されています。

 

理学療法の2010年2月号からなんと26回にわたり講座「よくわかる研究法」が掲載されています。全て読みましたが、書物にしてほしいくらいの内容です。

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