Vol.215 リハビリテーション分野における統計学③

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"誰がどの仕事に向いているのかを的確に判断するのは難しい"

スポーツの世界では、スポーツ種目別に「才能」「努力」の支配比率がどのくらいなのか、ナショナルコーチ、メダリスト、世界的に活躍した選手の見解によってまとめられている(SPORT BILD 2002)。

これをみると球技に関して言えば、努力よりも「才能」が勝っていることが分かる。では理学療法士という職業に例えた場合、才能と努力の比率はどのようになるのだろう。個人的な見解では「才能30%、努力70%」といったところだろうか?

この仕事は努力すれば知識・技術が身に付き患者さんに還元できる。特に「観察力」に関していえば、最近まで才能(センス)が必要と考えていたが、才能(センス)はトレーニングして身に付くものだと考え直しはじめている今日此の頃です。患者さんのために努力する、実にやりがいのある仕事です。

統計学について

さて統計学も私の担当は今日で最後となります。

④ 2群の差の検定、⑤ 相関についてまとめていきます。

統計学のその他の記事

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シンプルにまとめます。

① パラメトリック検定かノンパラメトリック検定か
② 対応があるか、対応がない

が分かれば2群の差に関していえばおおよそ大丈夫です。

① パラメトリック検定かノンパラメトリック検定か

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パラメトリック検定
正規分布間隔尺度、比率尺度
有意差が出やすい。
使用条件として n 数25名以上。

ノンパラメトリック検定
正規分布に従わない名義尺度、順序尺度
有意差が出にくい。使用条件なし。

② 対応があるか、対応がないか

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1人の対象者から1組(例えば、入院時と退院時)

対応がある = 同一人物

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ひとつのデータからひとつのデータ

対応がない = 異なる人物

 

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まとめると上記のようになる。

相関

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相関とは2 つの確率変数の間の相関(類似性の度合い)を示す統計学的指標である。
例えば、新しいバランス評価テストを作成した際にも、既存のBBSなどの評価との間の類似性を検討し妥当性を確認する必要がある。

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-1から+1の範囲をとる
絶対値で±1に近いほど強い相関関係がある。
2つの変数の間の直線的な関係を相関と呼ぶ。
R2とはrを2乗したものである。

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Pearsonの相関係数
パラメトリック検定
外れ値の影響を受けやすい
厳密には正規分布のデータを対象とする

Spearmanの順位相関係数
ノンパラメトリック検定
外れ値の影響を受けない
正規分布か否かを問わない

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0.0~±0.2   ほとんど相関がない
±0.2~±0.4  やや相関がある
±0.4~±0.7  相関がある
±0.7~±0.9  強い相関がある
±0.9~±1.0  きわめて強い相関がある

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外れ値の影響を受けやすい値
散布図やマハラノビス距離の確認を行なう必要がある。
意図的に外れ値を削除はしない。

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臨床疑問 = 研究 = 統計

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統計学を学ぶための本

臨床データの信頼性と妥当性

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SKETCH研究会統計分科会
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信頼性と妥当性を学ぶためならこの本はオススメです。

PTジャーナルの2013年1月号~4月号まで入門講座で統計学が取りあげられています。2月号までは手元にありますが、大変まとまっていて分かりやすいです。

この本は前回も紹介していますが、超オススメです。
統計ソフトもついています(Macには非対応)。

臨床研究のABC

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名郷 直樹
3,740円(04/24 19:00時点)
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大変まとまっており、研究を始めるためのノウハウがつまっています。海外文献などの検索方法も分かりやすく記載されています。

 

理学療法の2010年2月号からなんと26回にわたり講座「よくわかる研究法」が掲載されています。全て読みましたが、書物にしてほしいくらいの内容です。

映画
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http://www.kiiroizou.com 黄色いゾウ

主演が宮崎あおい、撮影地が三重県ということで仕事帰りに観てきました。
子供向けなのか大人向けなのか読みとれませんでした。
ただ、もう少し肩の力を抜いて生きてもいいかなと感じさせてくれた映画でした。

3月リハビリ勉強会

① 第19回 SIGNAL リハビリ勉強会

<日 程> H25年3月24日(日) 10:00~16:00 (※9:30より受付開始)
<参加費> 1000円 (当日徴収)
<場 所> 理学・作業名古屋専門学校 ※)詳細はhttp://g.co/maps/vdu7dをご参照下さい
<定 員> 40名(定員に達し次第受付終了)
<持ち物> 動きやすい服装、筆記用具
<問合せ>
氏名・ご用件を銘記の上、事務局担当福岡(t.fukuokapt@gmail.com)までご連絡下さい。

AM:「起居動作におけるバイオメカニクス」
講師:佐藤 歳一先生(西本病院)

PM: シンポジウム:「テーマ:上肢機能」
①「肩関節の機能解剖 ~臨床との接点~」
三田村 信吾先生(吉田整形外科病院)

②「上肢の触り方」
太田 有人先生(刈谷豊田総合病院)

③「歩行における上肢の役割」
筧 明夫先生(岡崎市民病院)

② Bridge ブリッジ

テーマ 『股関節』

講師:建内宏重PT(京都大学)
小松先生(Bridge管理人)
松井先生

日時:3/31(日) 9:30-17:00

場所:刈谷市中央生涯学習センター 501~503講座室
(駐車場はありますが、駐車料金がかかるため、電車でのお越しをおすすめします。会場は駅の目の前です!)

定員:
100名(先着順) 残りわずか。

参加費:3000円

では参加受付の方法です。

**********

ブログ左上の「管理人にメール」より

件名:3月Bridge参加希望

と書いて、

本文に
・氏名(ヨミガナ)
・職種
・経験年数(○年目)
・所属

を記載し送信して下さい!!
(複数名の記載も可能です)

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