幻冬舎
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人を導き、育てていくことは難しい。と毎年この時期になると切に思う。本書は上司になる心構えや、テクニック、コーチング、メンタルヘルスの分野において分かりやすく解説されている良書である。特に参考になったのが、「短い時間で判断したほうが効率がよい」の項目で、計画の完成度を重視して判断に時間をかけると、選択肢はどんどん増加し、時間と努力はますます必要になるということだ(完成度25%=選択肢5個、完成度50%=選択肢25個、完成度75%=選択肢125個、完成度100%=選択肢625個)。リハ科と病棟側で一緒に何かを考える時もこのことは当てはまり、100%の正解はないことからもある程度(約75%)考えたら実行してみて、現実に合わせて計画を変更していくということが望ましい。
部下指導にしてもだが、人に何かを伝えることは難しい。
自主トレ指導もそのひとつだ。
伝えたいこと
資料を作成しても、実際にやってもらえないのでは意味がない。
回復期リハ病棟に限らず、自主トレーニングを本人・ご家族に指導することはセラピストにとって非常に重要である。
なぜならセラピストが直接関われる時間に限りがあるからだ。
しかし、退院後、①継続して自主トレを行なっている方は少ないことや、②方法が徐々に自己流となり正しくない場合も見受けられる。
なぜだろうか?
やらない患者が悪い?
セラピストの教え方が悪い?
よく聞く理由としては、
資料がないから何をやったらいいのか分からない(患者)。
資料は作成してもらったが、メニュー表の字が小さくて見えない(患者)。
資料は作成してもらったが、項目が多すぎてやる気がでない(患者)。
誰も褒めてくれない(患者)。
指導する時間が足りなかった(セラピスト)。
自主トレを行なうことによって起こりうるメリットが分かっていない(セラピスト・患者)。
自主トレを行なわないことによって起こりうるデメリットが分かっていない(セラピスト・患者)。
など色々な問題があると思う。
療法士と本人・ご家族だけの関係では限界があり、ケアマネ、介護保険下サービス施設のスタッフなどへの伝達もしっかり行なっていく必要を感じる。
当院では上記の問題点への対応として、患者にとって分かりやすい自主トレ表を作成しているプロジェクトチームがある。
どの図が一番分かりやすいと思いますか?
これまで、2Dの図や、写真で対応していたが、関節の細部の動きの部分は伝わりにくいという問題点があったため、3Dの図を追加して現在、自主トレメニューを作成している。
下記サイトからダウンロード可能。
体験版でもある程度応用可能だと思います。
ただ3Dの問題点としては、空間認知障害のあるかたなどは、うまく自分の身体に変換できていない印象をうけたので注意が必要です。
報告
本日、第48回日本理学療法学術大会の採択通知がありました。
当院から6演題採択されました。
研究機関でない病院から複数演題採択されたことは非常に嬉しいですね。
第49回(神奈川県)にむけた準備も始めていきましょう。
25日は国家試験ですね。
受験生のみなさん、頑張って下さい。