今から十数年前、大阪府下の高槻市長が「市長のかわりはおっても、夫のかわりはおりまへん」と名言を吐いて、市長を介護退職した「美談」は、その当時、男性の介護という珍しさからもメディアを通じて広まった。これまでの「常識」では、夫婦が揃っている限りは、夫婦世帯で暮らし、どちらか片方に先立たれると子世帯と同居することであったが、最近の高齢者世帯の動向では、①おひとりになっても同居せず単身世帯を維持する、②妻が先に要介護状態となったり先立たれたりする夫の数が増えるといったことがおきている。男性介護者の実態調査によれば、家事能力や介護能力の低さに悩み、社会的孤立や援助者の不在に苦しんでいる。「介護虐待」も8割までは男性が加害者で女性が被害者である。
死ぬ前の寝たきり期間は最新のデータで平均8.5ヶ月、人間というのはじっくり死ぬものだ。
今を生きている男性が80歳を超える確率は約60%。
その時、妻のいない確率は5人に1人、85歳を超えると3人に1人の割合になる。
さらに最近は晩婚化でなく、もはや非婚化となりつつある。
私も他人の心配をしている場合ではない。
男性の介護保険下サービス利用は、女性より絶対数が少ないからかもしれないが低いと感じる。
なんとなく、抵抗感があるのは分かる。
亭主関白が多かった今の高齢男性のプライドは高い。
本書のなかに、「男おひとりさま道 10カ条」というのがあり、以下のとおりである。
最悪のシナリオも考えて早いうちから準備をしておきたいです。笑
第1条 衣食住の自立は基本のキ
第2条 体調管理は自分の責任
第3条 酒、ギャンブル、薬物などにはまらない
第4条 過去の栄光を誇らない
第5条 ひとの話をよく聞く
第6条 つきあいは利害損得を離れる
第7条 女性の友人には下心をもたない
第8条 世代の違う友人を求める
第9条 資産と収入の管理は確実に
第10条 まさかのときのセーフティネットを用意する
「安心できる介護サービス施設」も本書のなかに紹介されていたので、少し調べてみた。
① ホームホスピス宮崎(ホスピス) http://www.npo-hhm.jp/index.htm
月15万円ほどで、24時間の見守りつきケアが受けられ、全国から申し込みあり。
② 夢のみずうみ村 山口県(通所リハ) http://www.yumenomizuumi.com
利用者が一日の活動メニューを自分で決める(カジノ、リハビリ、パソコン)。
男性利用者が多い。
以下URL、張本先生のBLOGからも男性利用者数を増やすことはいかに難しいか分かる。
http://ameblo.jp/gene-llc/entry-11364987486.html
③ このゆびとーまれ 富山県(小規模多機能) http://www.geocities.jp/kono_yubi/
制度の枠を超えたサービス提供
人は最後は「ひとり」となる。下り坂に合わせて社会の中での立ち位置を自覚することが大切だ。自己主張と感謝の二語が私のなかではキーワードである。最後は私が笑い、みんなが泣く人生にしたい。
この本は卒業した高校の先生からいただきました。
第8条にもあるが、世代の違う先生達とはこれからも長く付き合っていきたい。
八木先生、竹内先生、いつもありがとうございます。