Vol.223 驚きの介護民俗学(医学書院)を読んで
驚きの介護民俗学 (シリーズ ケアをひらく)
六車 由実
医学書院
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"患者は聞き手に知らない世界を教えてくれるとなる"。日常的な介護・リハビリの場面では、常に受ける側、助けられる側という受動的で劣位な「される側」にいる場合が多い患者が、話してあげる、教えてあげるという能動的で優位な「してあげる側」になる関係。運動だけでなく、話すということだけでも能動性が生まれる。信頼関係が築けない原因の一つかもしれない。

患者との関わり方について勉強になった本。

その中で、トイレ(便所)に関して勉強になった言動を3つ紹介します。

① トイレットペーパーを軽く揉んでから汚れを拭く

→まだ汲み取り式便所で”落とし紙”として使っていた新聞紙を揉んで柔らかくして使っていたころの身体記憶が一時的に蘇ってきたのではないか。

②「トイレに行きましょう」と言っても通じない。

→「お手洗いに行きましょう」や「便所」「雪隠」「ニホンバシ」などという言い方があるそうだ。「ニホンバシ」とは、昔の農家の外便所は、穴の上に二本の板が渡してあるだけだったことからだそうだ。

③ お尻清掃機能(ウォッシュレット)は高齢者はあまり使用しない。

→画期的な便利な機能が、逆に高齢者を混乱させてしまう。多機能型のトイレが全て良いわけではないようだ。和式便所も病院に一つはあってもいいかもしれない。

リハビリの仕事は話しを聞くことだけではない。しかし、一見すると脈絡もなく、意味のないものとされがちな患者の言動を丁寧に聞いてあげ、拾いあげることで、拒否が続いていた患者が突然、リハビリを頑張りだす姿が目に浮かんだ。医療職に関わる方には絶対薦めたい1冊だ(近藤和泉先生に薦めていただいた本)。私達は「戦争」、「農業」などのことをもっと深く勉強しないといけないのかもしれない。

別れの季節
$KENJIのブログ

別れの季節がやってきました。
先日、当院のリハ科でも送別会がありました。
この職場で働けてほんとうに幸せでしたし誇りに思います。
辞めるときに、このように思えた「職場環境」に大変感謝しております。
恩返しできるようにこれからも努力していきたいと思います。
一緒に卒業する方々、本当にお疲れ様でした。ありがとう。

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