待合室で「ちょっと待って下さい」と言ったとき、どのくらいの時間を想定したかという研究があるそうです。指示した医師、言った看護師、言われた患者の順で、驚くほどの差があります。「近い、遠い、」「重い、軽い」も人によって捉え方が異なります。それぞれの職種の価値観は同職種では収束しますが、多職種との間では私達が思っている以上に異なっていると感じます。
本日から「リハビリテーション分野における連携とは」というタイトルで共有していきます。
当院の役職者向け研修で木村圭佑先生から「専門職連携・協働に求められる知識・技術・教育」を学んでいますので、スライドも貼付けながらわかりやすく説明できたらと思います。
「連携」という言葉は口に出してしまいやすいですが、実は非常に深く、難しい。
「もっと看護師と連携とったほうがいいよ」などポンポン口から出していた。
でも、連携って何から勉強を始めたらいいのでしょうか?
木村圭佑先生から言われて、今でも覚えていることは、
「まずは他の職種の仕事を理解すること」です。
厚生労働省が発表している医療施設調査によると、およそ30種類の職種があります。
リハビリテーションに関わる職種だけでも、医師、薬剤師、看護師、介護福祉士、療法士、管理栄養士、社会福祉士、歯科医師、診療エックス線技師、栄養士、事務職員など多職種です。
著書「教行信証」の中に「けい蛄春秋を識らず、伊虫あに朱陽の節を知らんや」というお言葉が書いてあります。
夏に地上に出て成虫となるセミは、春も秋も知ることはありません。
したがってこの虫にとっては自分が地上でいのちを謳歌している夏という季節がどの樣な時であるかを知ることはできないというたとえ話。
これをリハビリテーション分野の中でも置き換えると、
「理学療法しか知らない理学療法士は理学療法すら知らない」
「訪問リハビリしか知らない理学療法士は訪問リハビリすら知らない」 となるわけです。
つまり、他の職種や分野の役割や価値観を知っていないと、それは本当にリハビリテーションを理解したとは言えないということです。
まずは、看護師さんに「どうしてナースになろうと思ったんですか?」と聞いてみたりすることから始めてみてもいいかもしれませんね。
次回は、なぜ連携が必要なのか?について書いていきます。
この本を中心にまとめていきます。
日本看護協会出版会
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医学書院
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リハビリナースのステップアップ講座としてこの月から連載されています。
現在、第8回(No2 ,2013)まで発売中。
連携の勉強会
5/19(日)
10:00~16:30
刈谷市中央生涯学習センター(刈谷市総合文化センター内)
テーマ
患者のための連携とは何か-臨床現場のセラピストができること、していること
講師
堀山貴之PT:リハビリデイサービスおんじぃのへや、motivate代表
杉戸真PT:回復期病棟、リハビリテーションの現場から
坪井祥一PT:訪問リハ、岐阜脳卒中リハビリテーション研究会代表
小松洋介PT:Bridge管理人
定員:60名
参加費:2000円
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