Vol.261 リハビリテーション室の車椅子事情 タイで働く理学療法士(青年海外協力隊)

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害者による障害者のための支援。私が活動している障害者ホームでも重要性を感じるとともに、これまでの私のなかの障害者観が変わりはじめている。タイのバンコクには「アジア太平洋障害者センター(APCD)ビル」が建っている。そこでは主にアジア太平洋地域にいると言われる約4億人の障害者のエンパワーメントとバリアフリー社会の促進を目指したプロジェクトが行なわれている。「Nothing About Us Without Us(障害に関することは、われわれ障害者抜きではありえない)」というスローガンを掲げ、社会資源に対してアプローチを行なっている。先日はバンコクで開催された世界車椅子バスケットボール選手権大会アジアオセアニア地区予選会 (2013)をJICAメンバーで観戦する機会があった。国際大会が開催される会場でもスロープの勾配やトイレなど車椅子の方には決して利用しやすい環境ではないが、各選手がそのなかでも一生懸命な姿に私自身が勇気づけられた。


今回は私が活動している施設の車椅子事情をまとめます。

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70%以上の利用者が車椅子でリハビリ室に来られます。

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87%の方が標準型車椅子を使用しています。後に出てくるHofferの分類から考えても、モジュラー車椅子の必要性は少なからず感じます。

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77%の方が座クッションがありません。褥瘡の発生状況については詳細は分かりません。

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ブレーキ不良は50%以上で確認できました。
利用者のなかで、ブレーキがかからないことを頭に入れた移乗方法が行なわれている印象です。

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タイヤもこの通り。ほとんどの車椅子のタイヤはすり減っています。

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ブレーキの調整ができていない車椅子がほとんどです。
簡単に修理することができます。

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座位能力を表すHofferの分類ですが、上肢支持なしで座位、座り直しが可能なⅠレベルの方が全体の77%を占めました。このことからも比較的能力の高い方しかリハビリ室には来ていない可能性があることが分かります。

話しは変わりますが、車椅子自走ができるかたが、前進ではなく、後進(膝関節の伸展、足関節の底屈曲)で進んでくる姿をよく目にします。

短期ゴール
これらのデータから様々な視点から問題点を挙げることができますが、まずは、お金のかからないブレーキの修理から実施してブレーキ不良による事故をなくす。

車椅子バスケ

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先日、バンコクで開催された世界車椅子バスケットボール選手権大会アジアオセアニア地区予選会 (2013)をJICAメンバーで観戦した。これまで障害者スポーツ分野に関わる機会がなかったが、ひたむきな選手達の姿に感動した。しかし社会的認知度は決して高くなく、日本代表でも待遇面は低いみたいだ。古い動画ですが参考までに。

後輩の活躍①

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前院の理学療法士「杉浦徹氏」の論文が理学療法科学に掲載されました

世界的な高齢化は数少ない確実な未来と言え、現在、60歳以上の人数が人口の30%以上を占める国は日本のみで、2050年までには64カ国になる予定とされており、特にアジア地域は深刻です。平均寿命も延びるなかで、他国でも85歳以上の人口は増えてくるでしょう。

これから高齢化が進むアジア諸国にとって、今回の報告は何年後かに日本のみならず高齢化問題をかかえる他国で貴重なデータになるかもしれません。

全文はコチラ

https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/28/5/28_623/_pdf

後輩の活躍②

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藤田の後輩にあたる里地泰樹君が、TED×NagoyaUにSpeakerとして出ました。僕が学生のときには特に何も考えていなかったから、ほんとすごいと感心する。

ブログはコチラ
http://pixy0410st.wix.com/satojitaiki

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