Vol.275 外国人が海外で認められるためには タイで働く理学療法士
この国を出よ
この国を出よ

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大前 研一 柳井 正
小学館
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スポーツの世界では海を渡り海外で活躍する選手がここ数年で増えてきました。特にサッカーではJリーグからタイへ移籍する選手が多くて話題となりました。有望外国人選手にはJ1,J2でプレーするよりも高額な給料が支払われ、なおかつ物価が安い為に日本よりも貯蓄できることが理由として挙げられます。そんななか、鹿島アントラーズからタイのテロ・サーサナに移籍した岩政大樹選手の移籍理由は他の選手と異なっていました。「まったく違うことがしたかったんです。違うことをしないと幅は広がらない。タイに来れば、クラブの経営者も選手も外国人で、価値観がまったく変わる。僕は引退した後、サッカーの世界に残ると思います。監督、強化部、フロントか分からないですけど。その時に外国人選手を呼んでも、日本しか経験していない僕に何が分かるのか、となる。海外で感じられること、行かなきゃ分からないことが絶対にある。それを知っておかないといけない」この言葉から、もちろん選手としてスタメンで活躍することも大切ですが、海外でしか経験できない価値観をセカンドキャリアに活かそうとする視点は大切だと感じました。私は療法士がいない環境下で活動しているのでまだ感じていませんが、タイの療法士はプライドも高く、なかなか他国から来た療法士を認めてくれないと耳にします。サッカーのFWで言えばゴールを決めて、「この外国人は、なかなかやる」と思わせるしかありませんが、療法士の場合もありとあらゆる手段を用いて「結果」を出すしかないと感じます。しかも日本のように「小さな変化」ではなく「大きな変化」が必要です。全く歩けなかった人が、スタスタ歩けるようになるくらいの変化でないと、なかなか認めれてくれません。こちらで求められているのはアシストでなくゴールです。


「小さな変化」

「小さな変化」の例ですが、毎日担当している利用者(元々歩ける片麻痺者)の歩行練習を行い、麻痺側下肢の重心移動を指導しました。歩行スピードも改善され、こちらとしては見るからに歩容はよくなっているので、「よくなりましたよね?」とスタッフに伝えても、反応はイマイチなんですね。もちろん有資格者ではないですので、どこまで求めるかによるかもしれません。利用者が喜んでくれたら、それでよしなのですが、私としては利用者とスタッフみんなで共感したい感覚なわけです。この小さな変化に気付いてもらうことが、長期的な数値化が難しい私の課題でもあります。僕はゴールよりもアシストをたくさんしていきたいと思っています。

*日本人の「察する」「気付く」能力というのは、全てが良い面とは限りませんが世界に誇れるのかもしれませんね。

「大きな変化」

「大きな変化」の例ですが、およそ1年前に発症してから全くリハビリテーションを受けておらず歩けなかった片麻痺者ですが、およそ2ヶ月で歩行が遠位見守りレベルまで改善しました。この方の場合、ツールとして「下肢装具」を用いたのですが、利用者、スタッフの反応もよく、私がいなくても「下肢装具」をリハビリテーション助手が色々な利用者に装着する機会が増えてきました。これくらいの大きな変化であれば、発症から経過日数は長い利用者でも、毎日リハビリテーションすれば良くなるんだというメッセージが利用者、スタッフに伝わったと思います。

リハビリテーション開始時

動画は下記をクリック
https://docs.google.com/file/d/0B4d-woo4RovuOGFSYV9OUlhVdDg/edit

2ヶ月後

動画は下記をクリック
https://docs.google.com/file/d/0B4d-woo4RovuVkdib0lIVThRU28/edit

ここまで歩けるようになると、私以外のリハビリテーションスタッフに歩行の見守りもお願いすることも可能となってきます。今ではスタッフが自ら歩行の見守りを行なってくれます。

しかし、、、、、健側側に立たないでくださいね。

理由を伝えると、この通りしっかり修正してくれます。

詳細はこちらのページをご覧ください。これも日本から支援していただける協力者の存在のおかげです。ご支援に感謝致します。
http://rehabili.jimdo.com/2014/02/03/第六回活動報告-歩行動画あり/

タイに来てから5ヶ月経過しました。やることは一杯ありますが、おかげさまで私は元気に活動しています。タイにお越しの際は、是非お声がけください。

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