Vol.278 障害者から感じる「強さ」 タイで働く理学療法士
老いの才覚 (ベスト新書)
曽野 綾子
ベストセラーズ
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週、タイで『アークどこでも本読み隊』を主催する堀内佳美さんとJICAメンバーでお食事する機会をいただけた。堀内さんは全盲で目が全くみえない。にもかかわらず・・と言うと堀内さんに怒られそうだが生活は自立している。食後、帰り道が一緒となり、BTS(タイの電車)に一緒に乗った。一つ前の駅で降りるとき、私は本当に1人で帰れるのだろうか?」と思った。バンコクではバリアフリーが進んできてはいるが、日本と比較したら遜色がある。おそらく同じ立場なら多くの人が同じように思うに違いない。昨今、障害者が事件や事故を起こしたらメディアは大げさに報道し、障害者の活動範囲を局所化させる。帰り道、堀内さんの「強さ」を見せられ、ふと、曽野綾子著「老いの才覚」の老いに甘えるなのメッセージが、もしかしたら障害者にも当てはまり、障害に甘えるなと言っているのではないかと、彼女の遠くなる背中をみながら感じた。それと同時に自分の悩みはなんてちっぽけなんだと恥ずかしくなった。

今月、NHKで放送されたタイ 本で開け 世界の扉を是非ご覧ください。

障害者の「強さ」という点で、「五体不満足」の著者である乙武さんのtwitterに、「乙武ジョーク」というものがあり、自分の障害をネタにした内容があるが、これにも堀内さんと同じく「強さ」を感じる。その目的は以下の通り。

『障害者に対する偏見や差別をなくしましょう』っていうけれど、それ以上に『慣れてない』ことのほうが大きな壁になってると思うんです。障害者を別世界の住人と思ってるから笑いのネタにすることに抵抗があるけれど、『ハゲ』や『デブ』をネタにすることはOKなわけで、障害者だけがタブーなのは逆におかしい。そこの垣根を壊していけたら、また少しバリアフリーに近づいていくんじゃないかと思っています」

Twitterはこちら
https://twitter.com/h_ototake

しかし、この「強さ」を誰でも持っているかといえばそうではないし、まだ社会モデルが整備が整っておらず、個人モデルで「強さ」を出す環境には遠いのかもしれません。そんななか先日、久野研二先生を中心に「障害の社会モデル」=(障害は社会の障壁によって作り出される)の視点と「合理的配慮」に基づく社会の変革をする主体者としての行動力を獲得するための気づきを得る研修であるDET(Disability Equality Training)障害平等研修 が日本でも開催されました。ここでは研修のファシリテーターは障害当事者が行います。今後の動きに注目です。

体験

「ダイアログ・イン・ザ・ダーク体験」
先輩隊員に教えていただきバンコク市内のダイアログ・イン・ザ・ダークに行ってきました。ここでは視覚情報が全くないなかで他の感覚を研澄ませながら7つのイベントが体験できます。入場料は日本(東京・大阪)では5000円ですが、タイではなんと300円です。視覚障害者が内部を案内してくれます。

http://mlabo.net/2013/12/822/

私は色々理由がありわずか1分でリタイヤ。
近々、行きたいと思います。

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