Vol.279 日本人らしい短下肢装具の工夫 タイで働く理学療法士

々にリハビリ助手が行なう治療の選択肢のなかに短下肢装具を使用した歩行練習が含まれてきた。しかしオーダーメイドの装具ではないため、サイズの問題など課題は多い。日本では当たり前のように装具が接触する部分の発赤や皮膚損傷の有無、圧迫痕の有無、循環障害の有無などのチェックを行なうが、専門職種でないスタッフに教えるには時間を要す。現在、日本では装具の構造も複雑となってきており30種類を超える短下肢装具が存在するなかで、かつての柱であったプラスチック短下肢装具の処方割合は相対的に減ってきているときく。しかし、途上国ではフォローアップ面を考えた場合にシンプルな構造のプラスチック短下肢装具が一番実用性が高い。最新のものを取り入れることが決して良いこととは限らないことはこちらに来てからよく分かる。私が担当するリハビリテーションの対象者には脳卒中片麻痺が多く立脚期に足趾の屈曲(Claw toe)を有する方が多く、まれに痛みを引きおこし訓練に支障をきたす場合もある(写真)。このときそのままにせず、ボランティアとして何ができるかである。今回、Inhibitor bar を作製してみた。

Inhibitor barは大変お世話になっている近藤和泉先生もリハビリテーション医学会誌で発表されており、主に緊張性足趾屈曲反射 (Tonic toe nexion renex: TTFR) が見られる患者に適応し、私も前の職場で作製していました。

全文はこちらから(無料)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001846020

論文から作製方法を抜粋してみます。

用意するのは、ハサミ、両面テープ、5㎜程度の厚さのインソール素材

患側の足を紙の上に置き、印をつける.

印をつける位置は、ちょうどフットプリントを取ったときに足趾とMP部が床に接触する面の前端と後端となる。この線を結んでおおよその形を決めた後、型紙を切り取る。

切り抜くとこんな形。

今回はプラスチックAFOに貼付けました。

5分で完成です。最初の写真と比べると改善されたことが分かると思います。痛みも消失し、利用者の受け入れも良好でした。こういった細かいところに着目した工夫は小さな変化にも敏感な日本人が得意としているところなのかなと勝手に思っています。

世界の笑顔のために」プログラム 

概要
発途上国で必要とされている、スポーツ、文化、教育、福祉などの関連物品のご提供者を、日本国内で募集し、JICAが派遣中のボランティアを通じ、世界各地へ届けるプログラムです。国際協力への参加を身近に感じてもらうこと、および途上国への貢献を目的に開始しました。

リハビリ関連物品に関しても募集がたくさん出ています。

病院や在宅に使用していない以下の物品が眠っていませんか?ありましたら、一度以下のHPをご覧ください。車椅子、シルバーカー、杖、バランスボール、短下肢装具などを募集しております。提供者にはお礼状と現地で実際に物品を使用している写真が送られてくるはずです。注意点としては、東京までの国内郵送の負担は提供者にお願いしていることです。

☑ 参加申込期間:平成26年4月1日(火)~5月16日(金)

☑ 募集物品はこちら
http://www.jica.go.jp/partner/smile/

詳しい内容はこちらをご覧ください。
http://www.jica.go.jp/partner/smile/ku57pq00000r0z6w-att/buppin_eg_h26.pdf

このプログラムとは別にリハビリ道具を募集しています。ご興味のある方はチェックしてみてください。

途上国にリハビリ道具を届けませんか?
http://rehabili.jimdo.com

皆さんのお力を貸してください。

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途上国における地域展開のあり方についても書かれている。医療に関連する内容もアーユルヴェイド病院(インド)の事例があり、貧困層に安価で効果的な治療を提供する方法が書かれている。