日本で排泄動作を研究していたこともあり、活動先の施設でも少しでも大人用オムツの利用者を減らしたいと思っている。理由としては排泄は人間の尊厳に関わる動作であり、トイレで排泄することによりADLは向上するからだ(鳥羽先生論文)。
WHOのデータからタイのトイレへのアクセスは、都市部と農村部を合わせてみると、1990年82%、2012年93%と改善しているが、都市部だけでみてみると、1990年87%、2012年89%と12年間でわずか2%しか改善されていない。
先日、タイのバス車掌がオムツを着用しているというニュースをみて唖然とした。記事の中には、「バンコク市内の女性車掌の28%がおむつを履いている」とある。私もよくバスに乗るが、タイの車掌はそれなりに若い人も多い。およそ3人に1人はオムツを着用していると思うと、本当に何とかしてあげたい。トイレに行けない理由としては渋滞やバンコク市内のバスの路線沿いやターミナルにはトイレがほとんどないからだ。女性の多くが尿路感染症や膀胱結石を患っていたり、子宮がんになった女性車掌もいると書かれていた。確かに若い人も「オムツ」を使用しているのであれば、高齢者が「オムツ」を着用していていることにタイ人は「当たり前」と感じているのかもしれない。こちらにいるとこういった違和感を感じることが多いが、麻痺させないようにしたい。
参考資料
大人用おむつ着用しないと働けない…、待遇改善求めるタイのバス車掌ら
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140608-00000026-jij_afp-int&pos=4
「チーム水・日本」 途上国トイレ普及支援チーム
www.waterforum.jp/twj/news/docs/nl_10030304_p15.pdf
Q なぜ、オムツの着用が悪いのか?
A 安易なおむつの着用は自尊心を傷つける。
* 想像してみてください。オムツで排泄するんですよ。嫌じゃないですか?
でも実際に着用して排泄してみないと利用者の気持ちなど分からないということで、以前、職場の男性で体験しました。みんな楽しそうだったから良かったですが、これ、よく考えたらパワハラですよね。
ホント、気持ち悪かったです(以前の記事)。まだ試したことがないなら、一度、試してみることをオススメします。
私の活動先の現状
① 1日のオムツ交換は朝と夕方の2回
② 職員ではなく利用者がオムツ交換をしている
③ 1人でトレイに行ける、尿意もある、失敗もしないのにずっとオムツの利用者がいる。
④ トイレが汚いので利用率が低い。
③ の改善を目指したい。まずはリハビリテーションをしている人から評価し1人でも多くの方の希望を叶えてあげたい。
本
日本で蛇口をひねり飲んでいた水もタイに来てからは勿論飲めない。タイの水へのアクセスは96%と高いが、まだ水道管の問題などからそのまま飲めるレベルではない。そんななか、日本の企業なども世界の水問題に取り組んでいる。ポリグルタミン酸ってスゴいですね。
私を変えたあの出来事
PTジャーナルの6月号に掲載していただきました。
「やる気スイッチ」を押されるタイミングは皆さん色々と経験すると思いますが、私の場合は身内の不幸から多くのことを学ばさせていただきました。