Vol.312 壊れた車椅子を売って得たもの タイで働く理学療法士

よそ3ヶ月前、「利用者の自主トレメニュー表を作成したいのでラミネーターが欲しい」と職員に言ったら、「分かった」と答えてくれた。しかし、途上国では日本のように「モノ」が欲しくても様々な理由で簡単には手に入らず時間がかかる。JICAの制度を使用すれば、購入できたと思うが、「モノ」を与えるだけでは、今後、さらにJICAに依存してしまうリスクがあるので、僕は絶対に施設のお金で購入して欲しかった。しかし当然、施設にはお金がなく、「これ買って」と言っても、次の日に手に入るはずがない。お金をなんとか集めなければならなかった。

スタッフ:「壊れた車椅子を売って買おう

私:「

年に数回、施設の車椅子や金属類を買いにきてくれる業者がいる。アルミ1キロあたり、33バーツ(日本円で約100円)、鉄1キロあたり7バーツ(日本円で約20円)。すぐに施設内の壊れた車椅子や歩行器を回収した。470名の入所者がいるマンモス障害者ホームなので、完全に壊れていて部品も使えないような金属類がすぐに集まった。回収を依頼して数週間(予定では数日後・・・・)後、業者が来てくれて、なんと約4000バーツ(約12000円)になった。

そして、欲しいと訴えてから3ヶ月後、ついにラミネーターを購入(約5000円)してもらい、早速、利用者へ自主トレメニュー表を作成。今まで紙媒体であったため、次の日にはくちゃくちゃになっていたり、保管が難しかったのが、ラミネーターのおかげでとても綺麗、なおかつ丈夫に作成でき、利用者も職員も大喜び。

私の活動する障害者ホームは身寄りがない方も多いので、「自分のためにつくってくれた」と思ってもらうことはとても意味があり、名前をのせ所有感をもたせている。今のところ、毎日、忘れずにもってきてくれている。

 私の個人的な考え方としては、マンパワーでの要請に対する協力隊員は2年間で活動を終わらすべきであり、ボランティアがいなくても成り立つシステムの構築が一番重要だと感じている。簡易な評価をパソコンに入力すれば、運動メニューがでてきて、療法士以外の誰でも簡単に指導できるシステムを残りの任期で可能な限り追い求めていきたい。

Tsu(スー)

こちらから登録できます(招待制)。
https://www.tsu.co/IWATA

やっと仕組みが分かってきました。日本人の登録はまだ5万人くらいだが、1000万人は超えることが予想されています。とりあえず早く始めといて損はなさそうです。

榊原 有佑

高校のサッカー部の後輩が映画監督として有名になりつつあります。てっぺん目指して頑張ってほしい。

postの記事はこちら
http://1post.jp/2014/09/09/interview60_sakakibara-2/

支援のお願い

タイで開催されたthe 5th APTSA congressに私も参加させていただきました。参加してみると分かりますが、とても重要度が高い活動で今後も継続すべきだと感じました。学生のうちから海外のリハビリテーション事情について知ることはとても大切です。私も微力ながら支援させていただきました。以下から詳細をご覧ください。

https://readyfor.jp/projects/japanstudytour

 

今月、ミャンマーに行くので予習をしました。この本だけ見ると、タイよりも数倍ビジネスが成功する可能性を秘めています。本書のなかで、ミャンンマーでの高齢者住宅の可能性について少し書かれています。ミャンンマー人の介護は、おそらくタイ人より日本人向きな気はします。コングレス参加がメインなため、観光はあまりできないかも知れませんが、会いたい人にも会えるのでとっても楽しみです。

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