Vol.313 「トイレに行きたい」って聞かない タイで働く理学療法士
新しい介護学 生活づくりの排泄ケア
三好 春樹 福野 初夫 鳥海 房枝 高口 光子
雲母書房
売り上げランキング: 136,286

タイで活動していると、日本では、当たり前だった光景を忘れてしまいそうになる。リハビリテーション室で患者・利用者からトイレに行きたい」と言われることは、誰もが経験していると思う。しかし、タイの活動先ではほとんど聞かない。では、どこで用を足すのかというと、多くの方が自分の意志に反しオムツのなかである。これまで当たり前に続けてきた、トイレで排泄するという生活を断念しろと言われているのです。ふと、フランクルの「夜と霧」が頭に浮かんだ。人間は自由で自己実現が約束されている環境こそが幸せであり、災害や病気に見舞われたとき、希望は閉ざされ、「無感動」の状態となる。しかしそんな中でも、人間は「生きる意味」を探すのだ。排泄は「尊厳の最後の砦」と言われ、自分以外の人にお世話になることは、尊厳を失うことを意味し、このことを境に認知症が進行するとも聞く。鳥羽らはトイレで排泄することは、意欲を高め、日常生活活動を高めると報告しており、このことからもトイレでも排泄の大切さが分かる。利用者の多くは、施設に介護職員が少ないことは知っている。私も難題なことは承知だが、病人=オムツの考えは変えていきたいし、せめてリハビリテーション室内では「トイレに行きたい」と言いやすい環境にしていきたい。日本も30年前はオムツが当たり前だったようだ。今は絶対安静から離床の時代となったが、タイではまだ病気=安静という考えが抜けきれていない感じがする。

嬉しい反応

転倒後、歩けなかった利用者さんが、毎日、一生懸命、歩行練習をして、3ヶ月後くらいに1人で歩けるようになりました。そして、歩けてくると自信がついてくるのか、リハビリテーション室にも化粧バッチリ、ピアスもつけて、服装もお洒落になりました。亡くなるまで施設内で生活する人がほとんどの環境だからこそ、このような変化をもっと増やしていきたいなー。

装具プロジェクト

短下肢装具を中心としたリハビリ道具をタイとカンボジア(Kitahara Japan Clinic)に届けます。多くのアクセスをいただき、感謝いたします。興味のある方は、下記HPをご覧ください。

http://rehabili.jimdo.com/%E5%BF%85%E8%A6%81%E3%81%AA%E3%83%AA%E3%83%8F%E3%83%93%E3%83%AA%E9%81%93%E5%85%B7/

29

お祝いメッセージやビデオをくれたみんなに感謝します。ありがとうございました。そしてこれからもどうぞよろしくお願いします。

つっちー胴上げ

空港でつっちーを胴上げ。必ず再会しましょう。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事