Vol.318 タイにおける地域在住障がい者の現状② 脳性麻痺
Where There is No Doctor: Village Health Care Handbook
David Werner
Macmillan Education
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医師のいないところで、私たちは何をしなければならないのか?」先月、チェンマイのプラオで地域在住の障がい者の現状を見させていただいたときに、とても考えさせられた。日本だったら、インターネットを使用すれば病気に関する情報も瞬時に手に入れることができるが、中進国であるタイですら地方にいけば家庭でのインターネットの普及率はまだ低い。では、誰が正しい情報を教えなければならないかというと、コミュニティ・ヘルスワーカーなどであるがこれにも限界があり、今回のケースも移動図書館での活動先で見つかった。この本は医療従事者以外の方が読んでも、とても役立つ知識が書かれていると思う。英語も難しい単語が使われていないので読みやすい。青年海外協力隊に参加される方にはオススメの書籍だ。

症例情報②(前回の記事はこちら

10歳女性
脳性麻痺(アテトーゼ型)
粗大運動能力分類システム(GMFCS):レベルⅤ
異常姿勢:非対称性緊張性頸反射(ATNR)
日常生活活動:最大介助レベル(学校にも行っていない?)
キーパーソン:祖母
家族ニード:介助量の軽減

重度の脳性麻痺をみることは、初めての経験でしたので、教科書を読み返したり、インターネットで調べました。脳性麻痺リハビリテーションガイドライン(無料でダウンロード可能)はまとまっています。

異常姿勢に対する運動療法として、座位保持装置が、家にあるもので短時間で作製できたら良かったのですが(JICAの一次試験で座位保持装置の設計図を書かせる課題が出た)、訪問時間も短く、かえって中途半端なことになりかねなかったので断念しました。頸部の抗重力の姿勢保持に対する運動療法として腹臥位での頭部の挙上訓練を促す方法を実施し、家族に指導しました。

トイレ時の介助量軽減方法として、祖母が腰掛けられるようにブロックを積みました。今までは立位の状態で抱っこしていたため、腰が痛くなっていたとのことでした。

短時間での訪問に限界は感じましたが、そのなかでも本人・家族・地域の人にどのようなアドバイスをすれば一番伝わるか考えないといけないと思いました。社会保障制度はあっても、アクセシィビリティの問題で、利用できていない人も地域には大勢いると思います。タイのJICAの療法士でこういった訪問は定期的にできたらいいなと思いました。

WCPT2015

無事にWCPT2015(シンガポール)の発表が採択されました。
5月の発表ですが、今からとても楽しみです。

タンブン(徳を積む)

年が明けて、施設内に僧侶が大勢やってきました。入所者がタンブン(布施)をするためです。年功序列になっているのでしょうか。後ろにいくにつれ、若い僧となっていました。私の活動先の近くの市場でも毎朝、僧侶に多くの人がタンブンしている光景を目にします。コンビニにもタンブンセットが売られているくらいです。

私も。

高校サッカー

青春だなー。

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