Vol.339 北原茂実先生の挑戦(カンブリア宮殿) タイで働く理学療法士

日本は「医療後進国」である。バンコクにある私立病院(株式会社)のDirectorに言われた言葉である。日本で働いている外国人は大きな病気にかかると、母国に帰るか、シンガポールや香港などで治療を受けている。医療分野で世界で認められるためには、「JCI認証」が最低条件になるが、タイ44機関に対して、日本は13機関しかない。東京オリンピックまで後5年・・・。世界中から多くの外国人が集まるが、もし病気にかかったときに対応できる病院はあるのだろうか? 日本の「国民皆保険」は素晴らしい制度であった(過去形)。しかし、規制が多く、自由にビジネスができないなどの問題点もある。医療関係における青年海外協力隊員の帰国後の働き先として、海外で働く選択肢が少ないことも、日本は、世界を軽視し、独自の市場に合わて、世界から取り残されたことが原因の一つではないかと思っている。医療機器産業に関しても、気づいたときにはもうすでに遅しで、欧米企業に歯が立たない。

明日、8月6日(木)19:54~のカンブリア宮殿に、「こんな病院見たことない!ニッポンの医療を変える男」として北原茂実先生が登場する。病院理念に、「日本の医療を輸出産業に育てる」と掲げ、国際展開している病院だけに、とても気になる。

日本にいれば、病院で、どの先生に診察してもらっても、受付で支払うお金は同じである。しかし、これが世界の常識と思っていたら大間違いで、タイの私立病院では、医師ごとにお金の設定が違う。風邪をひいて病院にいったら、ある日は3000円、別の日は4000円請求されたといった具合だ。しかも医師は自分でその価格(ドクター・フィー)を設定できる。さらに、私立病院の医師は、自営業者として病院と契約を結ぶ。つまり、病院が手術室や診察室の部屋代を有料で医師に貸し出している形であり、不思議に思うかもしれないが、医師が病院に部屋代を払って働く形態なのだ(ドクターフィー=給料)。これまで当たり前と思っていたことが、タイに来てから「全然違う」ことに気づき、日本の制度の良し・悪しを考えるきっかけとなっている

日本医療クライシス「2025年問題」へのカウントダウンが始まった
日本医療クライシス「2025年問題」へのカウントダウンが始まった

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渡辺 さちこ アキ よしかわ
幻冬舎
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日本でも、「医療の価値(費用対効果)」に関してはしっかり評価して、質が悪くて、医療費が高い病院には、ペナルティーを与えるなどしてほしい。今後、どういった病院が生き残っていくのかよく分かった本。

医療職は必須の一冊ではないでしょうか。勿論、全てを実現することは難しいわけだが、読んでいて、ワクワクする本であることは事実。

青年海外協力隊としてタイに来てから、何度も読み返す箇所が本書にある。この文のおかげで、色々なことを考えるきっかけとなった。「善意を出発点としたボランティアは、たとえそれが失敗に終わっても、「いい話し」として片付けられ、責任は問われません。これは、常に責任が問われるビジネスとの大きな相違点です。


第23回SIGNALリハビリ勉強会

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【テーマ】 アジアのリハビリテーション事情

【講 師】 岩田 研ニ  SIGNAL(タイ)
      小泉 裕一  開発途上国リハビリレポーター(モンゴル)
      吉田 太樹  開発途上国リハビリレポーター(中国)

【日 程】 H27.10.18(日)10:00~16:00 (※9:45~受付開始)
【会 場】 刈谷市産業振興センター 3階 306会議室
【定 員】 35名 (残り10名です。)
【会 費】 1000円
【申込み】 SIGNALのホームページ『参加申込みフォーム』より。


以下にあてはまる項目があれば参加をご検討ください。

①青年海外協力隊に興味がある。
②海外のリハビリテーション事情について知りたい。
③将来、海外で働いてみたい。
④療法士としての視野を広げたい

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