Vol.237 リハビリテーション分野におけるサルコペニアの予防

界にはリハビリテーションを受けられない人が多い。現行の制度では全対象は救えない。せめてリハビリをすれば"歩ける"、"トイレにいける"、"家に帰れる"患者には適切なリハビリを行なってあげたい。途上国では、廃用症候群の患者がとても多いと聞く。そもそも廃用症候群の定義は日本でも曖昧だが、そのなかでも筋肉減少症(サルコペニア)は非常に多いことが予想できる。サルコペニアを診断するアルゴリズムでは歩行速度が0.8m/s以下、もしくは握力が男性30kg未満、女性20kg未満で、筋肉量の低下(若年の2標準偏差以下)を認める場合にサルコペニアと診断するとある。患者をどうしても絞り込む必要性があった際にはこのような評価は利用できるかもしれない。しかし、途上国などで栄養状態の悪い患者にとっては、筋力トレーニングは逆効果になることもありうるので注意が必要である。

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第48回日本理学療法学術大会3日目のランチョンセミナーで

『サルコペニア 予防と改善』

演者:山田  実先生(京都大学大学院)を拝聴したのでまとめる。

まとめ

① BMIと転倒率、介護認定率、死亡率、医療費の関係を理解する。

② BMIは変わらなくても筋肉量は減少している(内臓脂肪増える)。

③ 消費と摂取のバランスが大切(高齢者で過活動の人には注意)。

④ グルカゴン(低血糖時)、コルチゾール(ストレス時)には筋肉量を減少させる作用がある。

⑤ ビタミンDは不足している人だけ摂ればいい。


BMIと死亡率

栄養とリハビリ
BMIと疾病率

栄養とリハビリ
痩せている→転倒、要介護、死亡、

太っている→転倒、要介護、医療費増加

痩せていても、太っていても我が国にとってよくない。


BMIは年齢別にみてもさほど変化はない。
しかし筋肉量は減少している。


高齢者の独居には注意(80歳以上の4人に1人)。
さらに家から生鮮食料品店までの距離が遠いことはネガティブ要素のひとつ。
運動+栄養補助食品(プロテイン)が理想。


低血糖とならないように低栄養と動きすぎには注意。
ストレスは溜め込まず、趣味活動へ力を注ぐ。


ビタミンDが足りている人には効果は少ない。
魚とキノコ類に豊富。

以前、書いた記事

栄養とリハビリ

誇り

若林秀隆 先生のブログ

http://rehabnutrition.blogspot.com/2011/06/blog-post_15.html
リハビリテーション栄養・サルコペニア(筋減弱症)

http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02920_02
筋肉は健康のバロメーター

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