「なぜ 青年海外協力隊に応募したんですか?」必ず面接などで聞かれます。私の場合は約4年前に、今後の人生は臨床・研究・教育のどの分野に進もうか考えていた頃、三重県理学療法士会が主催する新人教育プログラムで「世界の理学療法」という講演を拝聴した。そこで私の心臓に衝撃がはしった。今でもメモしてあるので覚えているが「世界の77カ国では理学療法士の数は1000人以下で、理学療法士の養成校すらない国も多い。施設でリハビリを行う制度は開発途上国では困難で療法士は助言者となり、実際にリハビリを行なう人は家族や別の人となることがある。」との内容であった。卒前教育では全く教えてもらえなかったこと。自分も何か協力できるかもしれない。そのとき素直にそう思った。
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上記の本にも記述されているが、世界人口の多くは開発途上国に住んでおり、このような場所に住む障害のある人の2%しかリハビリテーションを受けられないと推察されている(WHO,1981)。世界人口の半分にあたる33カ国を対象とした広域調査において、James(1984)は1400万人の身体障害者が存在し、6分の1が特別な配慮を何らかの形で必要としていたが、わずか1%しか支援を受けていなかったと推定している。開発途上国では、①都市中心の過剰サービス、②限局された専門性などがあり、リハビリを受けられない人も多い。
介護ロボット
昨日のニュースで、政府が介護ロボットの普及に乗り出すと新聞で目にした。ロボット技術で先行している日本企業による本格的な生産に弾みがつき、輸出にも道が開かれるみたいだ。開発途上国のことを調べているなかでこのようなニュースは温度差がある。
介護保険の対象を広げ、上記の写真のロボットを月数百円でレンタルできる、または10万円以下で購入できる時代も近いはずだ。介護者不足からくる問題ではあるが、ロボットの『+』と『-』は使いわけができなければ、ロボット社会となりデジタルからアナログへの移行がますます難しくなるであろう。
人間はアナログであることを忘れてはいけないなと思う。
1.移乗介助
→ロボット技術を用いて、介助者のパワーアシストを行う装着型の機器
→ロボット技術を用いて、介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器
2.移動支援
→高齢者の歩行をサポートし、荷物などを安全に運搬できる、ロボット技術を用いた歩行支援機器
3.排泄支援
→排泄物の処理にロボット技術を用いた設置位置の調整可能なトイレ
4.認知症の方の見守り
→介護施設において使用する、センサーや外部通信機能を備えたロボット技術を用いた機器のプラットフォーム
論文掲載
前院で大変お世話になったリハビリテーション科課長の木村先生の論文が今月号のPTジャーナルに掲載されています。
臨床・教育・研究は三位一体でありますが、木村先生のように全てを万能にこなす理学療法士は数少ないと思います。是非、ご一読下さい。
http://www.igaku-shoin.co.jp/journalDetail.do?journal=35338
臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう 5
脳血管疾患患者の疼痛を理解する
木村 圭佑,他
同じ号に以前いただいたPTジャーナル賞の授賞式の記事も掲載されており、2倍の喜びです。
ワークショップ
JICAの英語講師にアメリカ人の理学療法士の方がいて、昨日は理学療法士の候補生と一緒にワークショップを実施。任地に行った際にスタッフとどのように問題解決をしていけばいいのか。教師と学習者の関係にならないようにするためにはどうすればいいのかについての手法を簡単に教わりました。下記の本も紹介してくれました。
http://www.env.go.jp/park/daisetsu/data/files/ws01/ws01_8.pdf
本
Routledge
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