Vol.262 家族介護は「アジアの文化」なのか?  タイで働く理学療法士

恍惚の人 (新潮文庫)
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有吉 佐和子
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界的にみても2050年には65歳以上が15%を越える。特に高齢者は主に途上国で増える。タイ、ベトナム、中国などはこれから急速に高齢化が進み、30年前の日本が経験したスピードに類似する。後期高齢者(75歳以上)も2030年ぐらいから急速に増加する。少子化も深刻で出生率は2.0以下の国がほとんどである(フィリピンだけが3.0付近)。東南アジア諸国は今からどんな対策をすればいいのだろうか?高齢化の先輩である日本から見習うべきものもあるだろう。政府・市場・家族のバランス関係は非常に重要である。日本はこれまで家族介護中心に高齢者を支えてきた。つい最近まで同居すること,子供が親の介護をすることも当たり前で、主に長男の妻の責任であった(タイでは末っ子の娘)。しかし現在では女性の社会的地位の向上などからも介護者が長男の妻である場合はわずか20%にすぎない。2010年で子どもと同居している高齢者の割合は 41%に低下し、配偶者のみと同居している高齢者の割合(33%)、独居高齢者の割合(16%)、施設で生活している高齢者の割合(6%) となっている。家族規模が縮小する中で、家族負担はもはや限界に近いだろう。現にここ数年で介護者の虐待問題などがニュースで取りあげられることも多い。しかし東南アジア諸国の多くは家族介護文化である(アメリカは市場中心、北欧は政府中心)。成長に必要な社会基盤インフラを整えつつ、限られた財源で社会保障支出を捻出するのは容易ではなく、北欧のような税財源で対応できるとも到底思えないので、家族介護支援中心となるのは予想できるが、その国の文化・伝統に合わせた戦略的な取り組みが必要である。しかし時間がない。日本の高齢者を象徴とする丸まった背中をみていないで背筋を伸ばし一刻も早く手をうたないといけない。

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先日、JICA国際専門員による東南アジアの高齢化と社会保障""確実な未来""に備える」を拝聴しましたので簡単にまとめます。

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これから東南アジアで起こること3つのPOINT
①貧困層の高齢者の増大
②社会的な介護ニーズの顕在化
③医療へのしわ寄せ(特に公的病院)

これまでの日本、東南アジア諸国の高齢化に対する取り組みをまとめます。

①高齢者の生計を支える対応策

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「日本」
現在のタイ、インドネシアより経済水準が低いときから国民皆保険、国民皆年金を達成したのは立派なこと。これにより、高齢者の生計は支えられたが、ご承知のように財政的持続性が大きな課題となり、2017年以降は保険料を固定し保険料収入の範囲内で給付ができるようになる。これにより給付水準は2009年度の62.3%から2038年度に50.1%になると予想されている。僕が65歳になるときには50%以下でしょう。

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「東南アジア」
高齢者を支える年金ですが、日本の国民年金制度のように保険料を納めて将来年金をもらえる制度をとっている国は少なく、タイとインドネシアの被用者と限定的である。保険料を納めることなく受け取れる無拠出年金もタイとベトナムぐらいで、「広く、薄く」であり生計維持は困難。

②高齢者の健康と自立に対しての対応策

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「日本」
医療保険と介護保険が柱。1973年に老人福祉法改正により、「老人医療無料化」を実施するものの、医療費の爆発的な増加をうけ、1983年の老人保健法にて廃止。2000年から介護保険が柱。現在の方向性としては地域包括ケア

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「東南アジア」
タイとマレーシアでは税財源による最低限の医療を保障。介護サービスはどの国も家族介護が前提とされており積極的ではない。政府や慈善団体も貧困高齢者へのサービスが中心で中間層への介護ニーズへの対応が課題。

東南アジアの中では、タイにおけるJICAの取り組みは非常に高く評価されているようで、他の国よりも前進しているようです。やはり家族・コミュニティにおける役割は大きいと感じます。また日本政府が支援するコミュニティ高齢者福祉基金設置の研修などはとても気になります。

参考資料

ナコンパトム県における高齢者の生活の質の向上のための健康と福祉コミュニティモデル
http://www.th.emb-japan.go.jp/jp/jis/2013/1304.htm

タイの「コミュニティ福祉基金」と「互酬的積善」
http://ir.library.osaka-u.ac.jp/dspace/bitstream/11094/4691/1/hs37_215.pdf

東アジアの高齢社会対策と日本の支援・協力のあり方
http://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/rim/pdf/2613.pdf

高齢化問題に対する対策 タイの医療保障制度と年金制度
http://ameblo.jp/nolook7/entry-11637377545.html

タイの高齢化対策 
http://ameblo.jp/nolook7/entry-11644676147.html

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先日、アジアで働く日本人フットサルチームのNO.1を決める大会「3rd F-ASIA CUP 2013 Supported bay NIKKEI ASIAに参加させていただきました。

チーム数16チーム、参加国10カ国以上、150人以上が集まる大きな大会でした。前回大会優勝で二連覇の期待が高まるバンコクチームで参加しましたが、惜しくも準優勝。私はコンディション調整不足であまり試合に貢献できませんでした。久しぶりに悔しかったです。

活動先の施設のタイ人チームにもいれていただけたので、これから運動不足は解消できそうです。

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