Vol.271 3ヶ月間であらわれた変化 タイで働く理学療法士
世界一大きな問題のシンプルな解き方――私が貧困解決の現場で学んだこと
世界一大きな問題のシンプルな解き方――私が貧困解決の現場で学んだこと

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動を開始してから3ヶ月が経過しました。タイでの生活にもすっかり慣れて、柔らかい国柄にすっかり溶け込んできています。全く話せなかったタイ語も自分の言いたいことの半分くらいは相手に伝わるレベルまで到達したでしょうか。そろそろ本格的に活動計画を練り実行していく時期となってきます。これから私が帰国までの間、施設内スタッフ、利用者への関わり方はどのようにしていけばいいのでしょうか?と考えると、回復期病棟から生活期へ移行する際にセラピストが患者さんと個別に関わる時間に共通するヒントがあるかもしれません。入院時は手厚く手を握ってリハビリテーションをする、退院直前には患者さんは1人でリハビリテーションをして、セラピストは自主トレのチェックや簡単な指示をするだけの関係を築く。そうすれば訓練時間が圧倒的に少なくなる生活期においても利用者はすんなりと対応できるはずでず。今はまだどっぷりと施設内スタッフ、利用者との関係を構築していく時期なのかもしれませんが、心の片隅にはいつも私がフェードアウトしたときの光景を想像しながら施設内スタッフと利用者が主役となれるように行動していきたいと思います。

この3ヶ月間を少し振り返ってみたいと思います。

「リハビリテーション」

 担当している利用者もゆっくりですが機能面の改善を認めます。なぜか?それはリハビリテーションの基本である、①発症後なるべく早期にリハビリを開始すること、②リハビリの訓練量を確保することが不足しているからです。①の問題に関してはタイの医療制度によるところが大きいため個人での解決には限界はありますが、②の問題に関しては私の介入価値は十分にあると感じます。日本と比較すると訓練の質のまえに圧倒的に訓練量が不足している印象をうけます。繰り返しの練習は誰でも嫌だと思いますので、遊びや生活場面での介入を増やしながらアプローチしています。後は、言葉で伝わりにくい部分はボディーランゲージ、特に顔の表情に気をつかいながらリハビリテーションを実施しています。誰だって褒められれば嬉しい。これは全世界に共通していえることではないでしょうか。上手にできたら満面の笑み、逆にできなかったら哀しい顔をする。今のは良かった、悪かったを丁寧に伝えてあげる。こういった心遣いこそ日本人の特徴なのかなと思っています。

壊れていたサンディングボードを倉庫から発見しました。修理したらこの通り、今では立派に活躍してくれてます。

「職員との人間関係」

同じ部署にはカウンターパートを除き2人の職員がいますが、週の半分は欠勤で、出勤したとしてテレビをみていることが多いのが現状です。とにかく黙って観察しようと思い3ヶ月が経過しました。異文化接触による心の反応でも初期の段階では、異なるものが新鮮で好ましく感じられますが、徐々に興奮から醒め異文化に対して排除的になる時期に達するようです。今、私は赤丸のあたりにいるのかもしれません。これからは自分の価値観を調整していく時期となります。まだ特に大きな口で「これをやってほしい」とも言っていませんが、そろそろ役割を与え反応を観察していきたいと思います。

「嬉しかった成果」

私が以前作成した自主トレメニューの巨大ボードを、なんと職員の1人が作成しているではないですか?この光景を見た時は本当に嬉しかったです。モノを与えるだけで終らず、相手の行動にも影響を与えることこそ、成果なんだと思います。こういった機会が少しでも増えるように頑張ります。

写真のように、ボードを見ながら指導する機会も増えてきました。


紹介

① 開発途上国リハビリレポーター 

20か国以上で活動するリハビリレポーターが、日替わりで現地の状況や活動の様子をレポートしていきます。

日本では考えられないような状況であったり、出来事が起きたりする開発途上国。

「まじかよー」と思うことも多々あるとは思いますが、ありのままにご覧下さい。

私も運営に携わっていますので、ご意見などあれば教えてください。

HP:http://reharepo.com
FB:https://www.facebook.com/reharepo

② 途上国にリハビリ道具を届けませんか?

先日も、群馬県の医療法人 石井会 石井病院の茂木先生(理学療法士)が膝装具6個とオルトップ2個を活動先の施設まで届けにきてくれました。群馬県にある「高崎義肢」さんにご協力いただいております。そしてついにポスターが完成致しました(A2サイズ)。数にまだ余裕があるので、欲しい方がいれば連絡ください。

コスタリカの理学療法士の隊員が簡易装具を作製してくれました。やはり手に入らない物品もあり、安価での作製は難しかったとのことでした。「安価で装具を作製する」プロジェクトも皆さんのアイデアを募集しております。


当サイトは3つの柱から成り立っています。

リハビリ道具を途上国に届ける
リハビリ道具を安価で作製する
海外のリハビリ事情や現地での生活についての情報発信

ご支援のほど、宜しくお願いします。

HP:http://rehabili.jimdo.com
FB:https://www.facebook.com/signal2009

「活動報告はこちら」

http://rehabili.jimdo.com/%E6%B4%BB%E5%8B%95%E5%A0%B1%E5%91%8A/

③ リハビリの自主トレ 3D

後輩の白井瑞樹が立ち上げました。
リハビリ自主トレ作成時の業務を軽減することを目的にしています。
Excelを使った自主トレーニングのデータベースで、WindowsとMacの両方に対応しています。
【姿勢】と【運動】を選ぶと、自動的に【運動の説明図】【方法】【効果】【注意】が描写されます。
とても便利ですよ。

HP:http://shiraimizuki.wix.com/home-exercise

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