Vol.326 タイにおける地域在住障がい者の現状③ 移動手段

本の技術・知識は素晴らしい。しかし、日本で導入している最新の高価なリハビリテーション機器などを、タイに持ち込みたくはない。それは、現地で修理できなかったり、サービスや製品を使えるのが一部の富裕層に限られるからである。タイの人々は、間違いなく「技術」、「知識」、「経験」を持っていることは一緒に活動してきたので知っている。先週はマヒドン大学に在籍されている大学院生の方の調査に同行させてもらい、地域で生活されている障がい者の生活の一部を見させていただいた。低コストで社会と文化に受け入れられるものが使用されているのがよく分かり、コスト面をクリアできれば、日本の福祉用具はとても受け入れられる気がした。

私の活動先から車で10分くらいの地域にお邪魔させていただいたのだが、一本、細い通りに入ると、これまで私が見てきた景色とは全く違った色があった。バンコクではあまり見かけなくなったタイハウスもまだ残っていた。

写真は「手漕ぎ三輪車」で、この方は片麻痺ですが移動範囲はとても広く、一人で自立されていました。このタイプの三輪車は私の施設でも使用している方が数名います。構造も簡単なので修理も簡単にできます。日本円で5000円くらいですが、障害者は無料で提供されています。

よく見ると、このバイクも「改造三輪バイク」です。普通のバイクを買って、数万円で改造したとおっしゃっていました。この方はポリオの方で歩行は困難とのことでしたが、バイクに乗って移動範囲は拡大されており、2時間くらいバイクで走ることもあるそうです。

私の施設にも5台くらいあり、脊損損傷者などが使用しています。切断の方もこの改造三輪バイクを利用しているのを家の近くの道路で見かけます。

私の活動先は入所施設なので、地域で生活する障がい者との差異はどんなところなのか気になっていましたが、在宅で生活するには家族や近隣住民の役割はとても大きいように感じました。前年に障害者手当の支給額が月500バーツから800バーツにあがりましたが、この額では、仕事をしていない障害者は、家族の支えがなければ、地域で生活することは困難です。家族様式も変化していくなかで、公立・私立とも障害者ホームやナーシングホームは少なく、ますます地域での家族介護が予想されているタイ。大変です。

ポーツ大会(JICA タイ)

ドッチボール、バレー、大縄とびを行いました。ガラスの腰も何とか持ち堪え、たくさん笑った1日となりました。

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片田 敏孝
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交通事故の5000人は自分とは関係ないが、宝くじの5000本は関係するかもしれない。そういう都合のいい考え方をするのが人間です。自らの命を守ることに主体的になることが求められています。

開発途上国リハビリレポーター

今週の土曜日から3回に分けてお届けする内容です。乞うご期待。

年海外協力隊でザンビアの女子高で理数科教師をしていたTKさんがなぜタイのプロサッカーチームのフィジカルコーチに? 

HP:http://reharepo.com/
FB:https://www.facebook.com/reharepo

青年海外協力隊 春募集(H27)

理学療法士20件
国:タイ、東ティモール、ベトナム、モンゴル、スリランカ、パプアニューギニア、ソロモン、エクサルバドル、セントルシア、チリ、マラウイ、タンザニア、モザンビーク、キルギス

http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=List&jID=H114&n=y

作業療法士24件
国:インドネシア、マレーシア、タイ、東ティモール、ベトナム、モンゴル、インド、スリランカ、サモア、コスタリカ、エクサルバドル、パナマ、セントビンセント、エクアドル

http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=List&jID=H113&n=y

言語療法士1件
国:マラウイ

http://www.jocv-info.jica.go.jp/jv/index.php?m=List&jID=H112&n=y


応募期間は4月1日から5月11日までです。

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