ある教授が義肢装具学会で話した言葉が頭を過った。「療法士は待ち帰ることができないが、装具は持ち帰れる」。タイに来てから「もし下肢装具があったら・・・・・」と思う場面が少なくない。特に私が現在活動している配属先には療法士がいないため、テクニックを指導するというよりも福祉用具・リハビリ道具の紹介や使用方法、適切な訓練難易度の課題設定などを現地スタッフと一緒に考えていくことが大切なのではないだろうか。当初、途上国では靴を履かない利用者が多いため、下肢装具の受け入れもきっと良くないのではないかと予測できた。また既製品の装具は高価で一部の富裕層しか買うことができず、脳血管障害の下肢装具に関しても日本のように様々な種類はなく、プラスチック短下肢装具が主流となっている(タイでは装具の支給は無料らしいが手続きに時間を要す)。
先日、前院のスタッフが作製してくれた日本円で約1000円の下肢装具をプラスチック装具を履いているCVAの利用者に装着してみた。すると、見事にプラスチック短下肢装具では抑制することができなかった遊脚期の内反を抑制することができた。それ以来、「あの装具が欲しい。」と利用者は毎日言ってくれるし、決して装具の受け入れは悪くないようだ。
何か協力できないかと思い、「途上国にリハビリ道具を届けませんか?」のHPをSIGNALリハビリ勉強会のバックアップをうけ、立ち上げた。継続できるシステム作りを目指していく。
「途上国にリハビリ道具を届けませんか?」
http://rehabili.jimdo.com
3つの柱
① リハビリ道具を途上国に届ける
② リハビリ道具を安価で作製する
③ 海外のリハビリ事情や現地での生活についての情報発信
① 途上国に届ける
4つの方法で支援者を募集しております。
② 安価でリハビリ道具作製
多くの人が簡単に入手でき(低価格)、現地の資源(材料)で社会と文化に受け入れられるリハビリ道具作製を目指します。現在は下肢装具の作製に取り組んでいます。途上国でも作製できるように、説明書の作成を目指します。その他、協力隊が作製した手作りリハビリ用品なども紹介できたらと思います。皆さんのアイデアを募集しています。いずれは上記のような本が出せたらいいですね。
http://rehabili.jimdo.com/装具作製/
③ 海外情報発信
青年海外協力隊員を中心に海外で活動している療法士のブログを紹介しています。日本とは違う各国の社会や文化が書いてありますのでとても参考になります。現在参加国はタイ、オーストラリア、中国、セントルシア、ドミニカ共和国、モンゴル、コスタリカ、ヨルダン、ガーナです。
http://rehabili.jimdo.com/海外ブログ/
FB
FBページも立ち上げましたので「いいね!」宜しくお願いします。
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