本日は画像の読解のポイントをまとめていきます
Contents
伝えたいこと
①解剖学の知識は最低限必要。(知っているか知らないかの差は大きい)
②どのスライドレベルか瞬時に把握すること。
③脳画像からどんな症状が起こるかを考えること
スライスの画像知識
一般的にOM line(耳窩耳孔線)が基準
当院では脳幹部で5㎜、それよりも上部で10㎜。
CTでは
白い=出血(し と し)
黒い=梗塞(K と K)
めちゃくちゃ簡単に言えば、
T2=病変
T1=構造
FLAIR=慢性期
DWI=急性期
最低限必要となってくるスライスレベル
①延髄レベル
②ペンタゴン・橋のレベル
③ダビデの星・中脳のレベル
④モンロー孔および松果体のレベル
⑤脳梁膨大・脳梁体部のレベル
⑥ハの字のレベル
⑦半卵円形中心のレベル
延髄レベル
とにかく延髄は大脳、小脳などをつなぐ位置にあるので場所によって色々な症状がでます。
あらゆる身体の感覚情報や大脳の命令伝達が通過する神経回路があるので後外側がやられますと、国家試験でお世話になったワレンベルグ症候群となったり、内側は感覚路である内側毛帯や前方には錐体路があるので麻痺が生じたりします。予後不良と言われるのも納得出来ます。
②ペンタゴン・橋のレベル
側脳室の下角が拡大していないか確認(側脳室の中にある黒い所)。
その周囲、前内側に扁桃体、内側に海馬があるのでそのあたりの損傷は情動、記憶障害がでます。
小脳をみる際には小脳脚についても確認する必要がある(上小脳脚、中小脳脚、下小脳脚)。
① 上小脳脚(superior peduncle)
② 中小脳脚(middle peduncle)
③ 下小脳脚( InferiorPeduncle)
小脳虫部の障害では体幹失調が起こりやすい。
小脳半球の障害では四肢の失調、筋緊張の低下、構音障害、眼振が起こりやすい。
小脳の特徴として障害がある側に異常所見が出現する。
*小脳半球からの出力線維は錐体路などと異なり交叉しない為、小脳半球の障害は通常一側性で同側の患肢に症状が出現します。
③ダビデの星・中脳のレベル
星の形してますよね。
ミッキーマウスの耳レベル(大脳脚の切れ込みによるもの)。
くも膜下出血を確認したり、中大脳動脈が確認できるレベル。
④モンロー孔および松果体のレベル
モンロー孔は側脳室と第三脳室の間。
基底核の配置が最も綺麗に確認できる。
内包後脚を皮質脊髄路が通る。
前から顔面、手、上肢、体幹、下肢の順に支配する。
視床
視床の働きを覚えて、どんな症状がでるかある程度推測できるようになると、臨床がより楽しくなる。
被殻
視床出血と同じように被殻出血の方の予後予測ができる必要性がある。
⑤脳梁膨大・脳梁体部のレベル
左右の半球をつなぐのが脳梁。
前部が脳梁膝、真ん中が脳梁体、後方が脳梁膨大。
側脳室の部分だから運動野では顔面の領域にあたる(39,40野)。
⑥八の字レベル
側脳室の天井部分。
カタカナのハの字に見えます。
この辺は上縦束が走行し、前頭葉頭頂後頭側頭連合野を結ぶ連合野で認知機能や言語機能に関わってくる。
皮質脊髄路や視床放線などの投射線維が放線上に広がる(視床放線の説明はカッサーノのニューロリハ日記ブログをご参照下さい)。
側脳室の上部部分だから運動野では顔面から手の領域。
⑦半卵円形中心のレベル
前頭葉と頭頂葉のレベルです。
内側から下肢、体幹、上肢の順で支配する。
支配神経は側脳室の外側にむかいます。
まとめ
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