Vol.189 リハビリテーション分野における脳画像のみかた② 

 

本日は画像の読解のポイントをまとめていきます

伝えたいこと

 

①解剖学の知識は最低限必要。(知っているか知らないかの差は大きい)
②どのスライドレベルか瞬時に把握すること。
脳画像からどんな症状が起こるかを考えること

 

スライスの画像知識

頭部CTの基礎 脳画像の見方

一般的にOM line(耳窩耳孔線)が基準
当院では脳幹部で5㎜、それよりも上部で10㎜。

頭部CTの基礎 脳画像の見方 白色と黒色の違い

CTでは

白い=出血(し と し)
黒い=梗塞(K と K)

MRIの見方 脳画像の見方 T2とT1

めちゃくちゃ簡単に言えば、

T2=病変
T1=構造
FLAIR=慢性期
DWI=急性期

最低限必要となってくるスライスレベル

①延髄レベル
②ペンタゴン・橋のレベル
③ダビデの星・中脳のレベル
④モンロー孔および松果体のレベル
⑤脳梁膨大・脳梁体部のレベル
⑥ハの字のレベル
⑦半卵円形中心のレベル

延髄レベル

延髄のレベル 脳画像の見方

延髄のレベル

とにかく延髄は大脳、小脳などをつなぐ位置にあるので場所によって色々な症状がでます。

延髄のレベル  脳画像の見方 内側毛帯

延髄のレベル

あらゆる身体の感覚情報や大脳の命令伝達が通過する神経回路があるので後外側がやられますと、国家試験でお世話になったワレンベルグ症候群となったり、内側は感覚路である内側毛帯や前方には錐体路があるので麻痺が生じたりします。予後不良と言われるのも納得出来ます。

②ペンタゴン・橋のレベル

ペンタゴン・延髄のレベル 脳画像の見方 

ペンタゴン・橋のレベル

ペンタゴン・橋のレベル 脳画像の見方 側脳室 小脳脚

ペンタゴン・橋のレベル

 

側脳室の下角が拡大していないか確認(側脳室の中にある黒い所)。
その周囲、前内側に扁桃体、内側に海馬があるのでそのあたりの損傷は情動、記憶障害がでます。
小脳をみる際には小脳脚についても確認する必要がある(上小脳脚、中小脳脚、下小脳脚)。

小脳の見方 脳画像の見方 

小脳の見方

① 上小脳脚(superior peduncle)
② 中小脳脚(middle peduncle)
③ 下小脳脚( InferiorPeduncle)

小脳の見方 脳画像の見方 小脳中部と小脳半球の違い

小脳の見方

小脳虫部の障害では体幹失調が起こりやすい。
小脳半球の障害では四肢の失調、筋緊張の低下、構音障害、眼振が起こりやすい。
小脳の特徴として障害がある側に異常所見が出現する。

*小脳半球からの出力線維は錐体路などと異なり交叉しない為、小脳半球の障害は通常一側性で同側の患肢に症状が出現します。

③ダビデの星・中脳のレベル

ダビデの星・中脳の見方 脳画像の見方

ダビデの星・中脳の見方

ダビデの星・中脳のレベル 脳画像の見方 ミッキーマウス 切れ込み

ダビデの星・中脳のレベル

脳画像の見方 ミッキーマウス 大脳脚

ダビデの星・中脳のレベル

星の形してますよね。
ミッキーマウスの耳レベル(大脳脚の切れ込みによるもの)。
くも膜下出血を確認したり、中大脳動脈が確認できるレベル。

④モンロー孔および松果体のレベル

モンロー孔・松果体のレベル 脳画像の見方 

モンロー孔・松果体のレベル

モンロー孔・松果体のレベル 脳画像の見方 内包後脚

モンロー孔・松果体のレベル

モンロー孔は側脳室と第三脳室の間。
基底核の配置が最も綺麗に確認できる。
内包後脚を皮質脊髄路が通る。

内包前脚・内包後脚 脳画像の見方

内包前脚・内包後脚

モンロー孔 松果体のレベル 脳画像の見方 麻痺

松果体のレベル

前から顔面、手、上肢、体幹、下肢の順に支配する。

 

視床

視床 脳画像の見方

視床

視床の見方

視床

視床の予後予測 脳画像 不良

視床の予後予測

視床出血の予後予測 脳画像の見方 脳室穿破

視床出血の予後予測

視床出血の予後予測 脳画像から予測 脳室穿破

視床出血の予後予測

視床の働きを覚えて、どんな症状がでるかある程度推測できるようになると、臨床がより楽しくなる。

被殻

被殻の見方 脳

被殻

被殻 脳画像 ループ 症状

被殻

被殻の予後予測 脳 症状

被殻の予後予測

被殻出血の予後予測 脳画像 内包前脚

被殻出血の予後予測

被殻出血の予後予測 脳画像

被殻出血の予後予測

視床出血と同じように被殻出血の方の予後予測ができる必要性がある。

⑤脳梁膨大・脳梁体部のレベル

脳梁膨大・脳梁体部の見方 脳

脳梁膨大・脳梁体部の見方

脳梁膨大・脳梁体部の見方 脳画像 

脳梁膨大・脳梁体部のレベル

左右の半球をつなぐのが脳梁
前部が脳梁膝、真ん中が脳梁体、後方が脳梁膨大。

脳梁膨大・脳梁体部のレベル 顔面の領域

脳梁膨大・脳梁体部のレベル

側脳室の部分だから運動野では顔面の領域にあたる(39,40野)。

⑥八の字レベル

 

八の字のレベル 脳画像の見方

八の字のレベル

脳画像の見方 八の字のレベル

八の字のレベル

側脳室の天井部分。
カタカナのハの字に見えます。
この辺は上縦束が走行し、前頭葉頭頂後頭側頭連合野を結ぶ連合野で認知機能言語機能に関わってくる。

皮質脊髄路や視床放線などの投射線維が放線上に広がる(視床放線の説明はカッサーノのニューロリハ日記ブログをご参照下さい)。

脳画像 八の字 錐体路

 

脳画像の見方 脳梁

側脳室の上部部分だから運動野では顔面から手の領域。

⑦半卵円形中心のレベル

半卵円形中心のレベル 脳画像の見方

半卵円形中心のレベル

半卵円形中心のレベル 脳画像の見方

半卵円形中心のレベル

前頭葉と頭頂葉のレベルです。

半卵円形中心のレベル 脳画像 麻痺の程度

半卵円形中心のレベル

内側から下肢、体幹、上肢の順で支配する。
支配神経は側脳室の外側にむかいます。

まとめ

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