Vol.362 オムツ理学療法士の挑戦④ 排尿自立指導料によるオムツ使用者ゼロ

KENJIのブログ 岩田研二
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1年目の出来事だ。回復期リハ病棟で担当していた患者の転帰先は施設だった。なぜか?排泄動作が自立できなかったからだ。とても悔しかった。これが排泄動作の研究をするきっかけだった(上写真は1年目に発表した内容)。そして、排泄動作に関していえば、そこそこ分かるようになってきた。しかし、最近、下部尿路機能(過活動膀胱や尿失禁など)、オムツ・パッドの選択、トイレの住環境など、総合的にアセスメントする必要があると痛感する。自分の担当患者に、「なぜ尿道カテーテルが挿入されているのか?」答えられる療法士は意外と少ないはずだ。第53回日本リハビリテーション医学会学術集会でも排泄関係の演題やセミナーを拝聴し、さらに排泄総合研究所「むつき庵」にも足を運んだ。私の恩師で「筋力」について40年間研究してきた岡西哲夫先生とも話し、私は、「排泄」について、継続して学んでいくことを決めた。この分野のテッペンに向かって頑張ります。

なぜ、PTジャーナル賞を受賞できたのか?

Vol.229 第24回「理学療法ジャーナル賞」の奨励賞をなぜ受賞できたのか

2013.04.15

養成校教育では教えてもらえない分野

「下部尿路症状のためのリハビリテーション」と聞くと何を想像しますか?
うーん。ズボンを上げたり下げたりする動作を繰り返す練習のことかしら?
膀胱留意カテーテル、自己導尿、消化管ストマなどの適応は分かりますか?
うーん。聞いたことはあるけど、詳しくは知らないわ。
勉強していないから知らないのは当然。でも、ようやく養成校のカリキュラムの中に含まれるみたい。
排尿自立指導料って聞いたことある?
ない。
「下部尿路症状のためのリハビリテーション」と聞くと皆さんは何を想像しますか?多くの方は、「排泄動作」の訓練をイメージするのではないだろうか?膀胱留意カテーテル、自己導尿、消化管ストマなどについては、詳しく知らない方も多い。私もその一人だ。なぜ知らないのだろうか?答えは、養成校でほとんど学んでいないからだ。ようやくカリキュラムの中にも含まれるようだが、これまで、この分野は看護師の分野と認識されてきた。しかし、平成28年度診療報酬改定で排尿自立指導料が取得できることが決定し、排尿ケアチームに理学療法士の設置が義務付けられているため、今後、需要が高まってくる。

排尿自立指導料ってなに?

これは、日本創傷オストミー失禁管理学会と日本老年泌尿器科学会が共同で提出していた医療技術「下部尿路機能療法」が保険収載として認められ、より一般的な名称「排尿自立指導料」となったものだ。1日でも早く排尿が自立することで、人としての尊厳が守られるだけでなく、転倒予防・寝たきり防止にもつながる。
排尿自立指導料は、すべての保険医療機関で申請でき、入院患者に対して、病棟の看護師と排尿ケアチームが、下部尿路機能の回復のための「包括的排尿ケア」を行った場合に、週1回200点を6回まで算定できる。保険点数上の評価もかなり高い。ただし、排尿ケアチームによる関与と、病棟の看護師等による患者への直接的な指導・援助のうち、いずれか片方のみしか行われなかった週については算定できない。また、排尿が自立し指導を終了した場合には、その後については算定できない。 (引用→ http://www.almediaweb.jp/news/ac20160405_01.html)

対象は?

  • ① 尿道カテーテル抜去後に、尿失禁尿閉等の下部尿路機能障害の症状を有するもの
  • ② 尿道カテーテル留置中の患者であって、尿道カテーテル抜去後に下部尿路機能障害を生ずると見込まれるもの  (引用→ http://www.almediaweb.jp/news/ac20160405_01.html)

排尿ケアチームの構成と必要な研修

排尿ケアチームの必要な職種は、医師、看護師、理学療法士で以下のような規定がある。

  • ア 下部尿路機能障害を有する患者の診療について経験を有する医師(他の保険医療機関を主たる勤務先とする泌尿器科の医師が対診等により当該チームに参画してもよい)
  • イ 下部尿路機能障害を有する患者の看護に従事した経験を3年以上有し、所定の研修を修了した専任の常勤看護師
  • ウ 下部尿路機能障害を有する患者のリハビリテーション等の経験を有する専任の常勤理学療法士と作業療法士(作業療法士は遅れて追加された)

現時点(3月31日)で認められている研修は、医師では日本慢性期医療協会の「排尿機能回復のための治療とケア講座」で、今後、日本泌尿器科学会等も提供・認定する予定となっている。看護師の要件として認められている研修は、①日本看護協会認定看護師養成課程「皮膚・排泄ケア」の研修、②日本創傷オストミー失禁管理学会、日本老年泌尿器科学会、日本排尿機能学会「下部尿路症状の排尿ケア講習会」、③日本慢性期医療協会「排尿機能回復のための治療とケア講座」。特定非営利活動法人日本コンチネンス協会が行っている「コンチネンス中級セミナー」及び認定特定非営利法人愛知排泄ケア研究会が行っている「排泄機能指導士養成講座」は、それぞれ「コンチネンス中級セミナー」と併せて「コンチネンス中級セミナー追加研修」を修了した場合、及び「排泄機能指導士養成講座」と併せて「下部尿路機能障害の排尿自立支援指導講習」を修了した場合には、排尿自立指導料にある所定の研修とみなされることになる。

(引用→ http://www.almediaweb.jp/news/ac20160405_01.html)

排尿ケアチームの活動

排尿ケアチームは以下のような活動を行う。

  • ① 下部尿路機能障害を評価する。
  • ② 病棟の看護師等と共同して、包括的排尿ケアの計画を策定する。
  • ③ 排尿ケアチーム、病棟の看護師等、関係する従事者は共同して包括的排尿ケアを実施する。
  • ④ 実施中、および実施後は定期的に評価を行う。
  • ⑤ スクリーニングおよび下部尿路機能評価のための情報収集(排尿日誌残尿測定)等の排尿ケアに関するマニュアルを作成して、医療機関内に配布する。
  • ⑥ 院内研修を実施する。(引用→ http://www.almediaweb.jp/news/ac20160405_01.html)

排尿自立支援のツール活用

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第53回日本リハビリテーション医学会学術集会のハンズオン・セミナーで、「膀胱留置カテーテル抜去を目指した基礎評価の実際」を受講し、リリアムα-200を使用し、自分の膀胱内の尿量を測定した。結果250ml。結構溜まってる。印刷機込みで50万円する機械だが、病院に1台は最低欲しい。訪問リハでも使用できそうだ。しっかり測定してあげれば、きっと排尿自立できる患者がもっと増えると思う。こういった知識は、療法士は今後必要になってくると思うから、この分野はとてもチャンス。

リリアムα-200 測定原理

 第53回日本リハビリテーション医学会学術集会(京都・大阪)

IMG_2393 IMG_2368 IMG_2394 吹田スタジアム

市立吹田サッカースタジアムのトイレ

吹田スタジアム トイレ吹田スタジアム トイレ
吹田スタジアムに、ガンバ大阪の試合を観に、輪違くんと行ってきました。試合は点の取り合いで、見るものにとってはエキサイティングな内容でした。吹田スタジアムのトイレもとても気になりました。とてもシンプルな作りで、コストをかけていないことが分かります。左の写真は、障がい者用なのか、中は広かったですが、入り口が狭く、車椅子で入るのは難しいかと思われます。もう少し障がいを持っている方への配慮があれば、より良いし、この部分は削ってほしくなかったなー。

タイのトイレ建設話はこちら

Vol.346 トイレ理学療法士の挑戦②

2015.11.09

Vol.340  トイレ理学療法士の挑戦① タイでトイレを作る

2015.08.16

トイレに関するこれまでの記事

Vol.359 トイレ理学療法士の挑戦③ 正しい手すり位置の検討

2016.05.24

Vol.313 「トイレに行きたい」って聞かない タイで働く理学療法士

2014.12.10

Vol.305  WCPT2015とオムツ タイで働く理学療法士

2014.10.16

Vol.288 オムツの利用者を減らしたい タイで働く理学療法士

2014.06.13

Vol.164 リハビリテーション分野における排泄の意味

2012.06.25

トイレに関するおすすめ本

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次回は、「むつき庵」にお邪魔させていただいた感想を書かせていただきます。