Vol.373 オーストラリアスタディーツアーを終えて -サムライ5人の海外挑戦-
オーストラリアのリハってどうなの?

知らない。

徒手療法ってイメージだなー。あと、開業権があるとか。

じゃあ、オーストラリア行って聞いてきなよ。

押忍。

「オーストラリアでは、みんな自分のフォジオ(PT)がいる」この言葉からも日本との違いが分かる。特に、スポーツ分野では顕著だ。また、ダイレクトアクセス(例えば、腰痛の患者が来たら、医師を介さず、理学療法士が診断し治療介入できる)が認められているため、日本のようにカルテから事前に情報を入手するのではなく、診断学含めた臨床推論(クリニカルリーズニング)がとても重要になっている点も大きな違いだ。実際に臨床見学させていただいたが、問診にとても時間を割いていたのが印象的だった。何より、パースのカーティン大学で学ぶ日本人理学療法士と交流できたことが、自分の中で一番刺激となった。ライフ・ワークバランスのシナジー効果とは、こんな感じなんだろう。

これまでのスタディーツアーはこちら

カーティン大学見学と現地の日本人理学療法士との交流会

参加者の声

留学されている方の生の声を直接聴くことができ、大変貴重な機会となりました。オーストラリア現地での生活の様子や現地で苦労されていること、また、留学するために必要な英語力、英語力向上のために実践してきた学習方法等を聞くことができ、自分が海外へ留学するイメージを具体的に持つことができました。

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広大な敷地で緑に囲まれているカーティン大学。大学内にパブがあるところも外国らしい。カーティン大学の卒業生、在学生に集まっていただき、自己紹介を含め、事前に参加者からいただいていた質問に答えていただいた。ダイレクトアクセス、イエローフラッグ、保険制度、産前産後リハなどについて。オーストラリアのPTは、7割はクリニックで働く。ADL訓練や家屋評価などは、OTの仕事で、しっかり分業されている。このサムライ5人の話を聞いて、胸が熱くなった。各々、様々な理由を持ってオーストラリアに学びに来ている。このメンバーがもし日本に戻ってきた際には、陽のあたるようにしてあげたい。

イエローフラッグとは?

イエローフラッグ(yellow flags) 推奨グレード B ■ 腰 痛 ■ イエローフラッグは心理社会的リスクファクターといえるもので,腰痛発症に深く関わ り,腰痛の慢性化,職場復帰の遅延化,再発率を高めるリスクファクターである 12)。イエ ローフラッグの確認により,適切な認知および行動管理へと導くべきである。しかし,急 性腰痛における心理社会的評価または介入の有効性に関するエビデンスはない。 イエローフラッグの例として,背部痛についての不適切な態度と考え方(例えば,背部 痛は有害である,または重度の機能障害を招く可能性があるという考え方,積極的な治療 参加が有効という考え方ではなく,受動的治療への大きな期待),不適切な疼痛行動(例え ば,恐怖回避行動および活動性の低下),仕事関連の問題または補償問題(例えば,仕事満 足度の不足),情動的問題(抑うつ,不安,ストレス,気分障害の傾向および社会的交流の 離脱など)がある 13, 14)。 引用;1.背部痛 理学療法診療ガイドライン P23

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江戸英明さん(卒業生)徒手療法に興味あり(ブログ)。
上山顕志さん(在校生)保存療法、女性リハに興味あり(ブログ)。
石川翔大さん(在校生)産業リハに興味あり。
野澤涼さん(在校生) 楽しい生き方に興味あり。
木船貴之さん(もうすぐ在校生)海外での生活に興味あり。

カーティン大学とは

カーティン大学英語: Curtin University )は、オーストラリア西オーストラリア州パース市に位置する州最大規模の総合大学で、2010年にカーティン工科大学(Curtin University of Technology)から名称が変更された。カーティン大学はオーストラリアで初の工科大学として創立された。1966年大学創設当時は西オーストラリア工科大学(Western Australian Institute of Technology)と呼ばれており、大学拡充を図るため「University」という語を付け加え、第14代オーストラリア首相であるジョン・カーティンの名を引用し、現在はカーティン大学となっている。カーティン大学はAustralian Technology Network (ATN)に属し、イギリスThe Times紙が発行した「2004年度版世界大学ランキング」[1]では、州最高位となる76位に位置づけられた。引用:wikipediaより

PTクリニック見学

参加者の声

一番印象的であったのは、問診する力、そして説明力であると感じた。治療手技等もある程度の違いはあると感じたが、問診力、そしてそれに基づいて考察を説明する、治療を進めその内容、その理由を説明する、ホームプログラムとその目的を説明する等、非常に丁寧に説明されていた。

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今回のツアーは江戸英明さんと日本で食事した際に、「一緒にやろう」と決定した。疼痛や機能障害を抱えた患者さんのファーストチョイスが、病院ではなく理学療法士が開業しているクリニックの場合が多いオーストラリア。医師に紹介状を書くことだってある。江戸さんの働くクリニック見学では、実際に臨床見学を5例ほどさせていただき、問診力の重要性を感じとれた。また、オーストラリアでは、鍼治療も大学卒業後、2日間の研修で獲得できるので、治療幅が広い。ピラティスも同じように、理学療法士が指導する場合も多い。

クリニカルリーズニングとは

リーズニングとは、「論理的に説明すること」である。医療職による患者の診察の一般的な順序は以下のとおりである。

① クライエント(患者)の状況を把握する
② 解決すべき課題をあげる
③ 各課題につちえ、何がその原因なのか複数の可能性をあげたり、改善のための解決策をあげる。
④ 各課題に対する解決策の有用性(感度・特異度・効能・効果・効率)について外部情報を参照し、確からしさを吟味する。
⑤ 解決策を適用し、効果を検証する。

 

理学療法ジャーナル 2016年 11月号 特集 臨床に役立つ臨床推論の実際

理学療法ジャーナル 2016年 11月号 特集 臨床に役立つ臨床推論の実際

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医学書院 (2016-11-14)

江戸さんのこれまでの記事はこちら

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街中を走ると、PTクリニックがあちらこちらにある。

サー・チャールズ・ガードナー病院見学

参加者の声

日本の病院が提供している医療・サービスは、オーストラリアの病院と比較してより優れているものだと再確認することができ、しっかりと誇りを持っていいことだなと感じました。制度上の問題でもありますが、オーストラリアの病院における理学療法士は、ギブスの装着やレントゲンを撮るよう指示を出したり、医師と対等の立場で話をし、時には医師に指示を出したりするなど職域の幅が広く感心しました。また、入院日数を短くするなど、いかに医療費を削減できるかということを1人1人が考えており、素晴らしいなと感じました。

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西オーストラリア州の公立病院であるサー・チャールズ・ガードナー病院を見学させていただいた。オーストラリアで理学療法士の免許を取得したOkamotoさんが、病院概要、施設案内をしてくださった。感じたことは、ハード面はそれほど日本と変わらないことと、医師・療法士・学生の関係がフラットなことだ。日本だったら考えられない場面が何回も目撃できた。Okamotoさんに、日本人の弱みを聞くと、シャイさと答えられた。日本人の察する能力が、意見がないと思われ、逆にデメリットになる場面もあるようだ。また、学生教育に関しても、日本と同様、精神的な部分でドロップアウトしてしまう学生も増えており、課題は似ているとのことだった。

サー・チャールズ・ガードナー病院とは

Sir Charles Gairdner Hospital (SCGH) is a teaching hospital located in Nedlands, Western Australia.

Opened in 1958,[1][2] it was named in honour of Sir Charles Gairdner, governor of Western Australia 1951–63, and is part of the Queen Elizabeth II (QEII) Medical Centre.[3]

All clinical specialties are provided, with the exception of complex burns, paediatrics, obstetrics, and gynaecology. It houses the state's only comprehensive cancer treatment centre, and is the state's principal hospital for neurosurgery and liver transplants. The hospital is closely associated with the nearby University of Western Australia as well as Curtin University, Notre Dame University, and Edith Cowan University.

Handling over 76,000 admissions annually, SCGH has 600 beds, and treats approximately 420,000 patients each year. As of 2012 some 5,500 staff are employed.[4] In 2009, it was the second hospital in Australia to be awarded Magnet recognition by the American Nurses Credentialing Center. From Wikipedia

観光

ロットネスト島

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ワイナリー

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フリーマントル

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チョコレート工場

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ハチミツハウス

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カンガルー

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誕生日

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31歳をオーストラリアで祝っていただきました。プレゼントまで沢山いただき、ただただ感謝です。

タイ

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オーストラリアの帰りに、活動先と、タイの父に会ってきました。6月,9月にまた行きます。

地球の歩き方 C11 オーストラリア 2016-2017 【分冊】 8 パースと西オーストラリア州 オーストラリア分冊版

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研修会

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日  時:2月5日(日)

時   間:09時50分〜16時30分

場   所:大阪府堺市堺区北花田口町 3 丁 1 番 15 号 東洋ビル 4F-7

参 加 費:5000円(学生は半額)

懇親会費:3500円

定   員:80名

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日  時:1月23日(月)

時  間;19:30開場  20:00開始 22:00終了

場  所:カネジュービル5階第五会議室

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