Vol.375 理学療法士は、尿失禁を適切に評価し予防することができるのか?

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厚生労働省は、介護予防事業にお金を使っている。よくある形が、公民館などに高齢者を集めて行う転倒予防体操だ。しかし、週1回程度、約30分の運動で、本当に転倒は防げるのだろうか?と私はいつも思う。そして自信を持って、転倒を防げますと力説する理学療法士・作業療法士ほど信じることができない。よっぽど、尿失禁に対する予防理学療法のほうが費用対効果が大きいと推測するし、これからそうなっていくはずだ。そこで今回から、排泄ケアに関わっていく療法士が最低限知っておくべきことをシリーズでまとめていく。

排泄ケアに関して療法士が知っておくべきこと

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まず、高齢者を担当する療法士に知っておいてほしいことは、高齢者の約半数は尿失禁をおこしており、それが原因で外出を躊躇しているなど、QOLに影響を与えている可能性があるということだ。さらにいえば、適切な下着(アウター・インナー)の選択ができているかなども重要となってくる。尿失禁を含む下(シモ)の話しは、なかなか恥ずかしくて周りに打ち明けれない場合も多い。最近は、テレビ・新聞などで尿失禁の特集を組まれていることもあるが、特に男性は全く情報を知らない場合も多い。療法士は医療職の中で、とりわけ1対1で患者・利用者と関わる時間が一番長く信頼関係も築けている場合が多い。つまり、排泄ケアに関しては、療法士が正しい知識を持ち、関わることで、多くの患者・利用者が救われると感じている。
 

尿失禁の種類

尿失禁 分類
尿失禁には大きく分けて4つのタイプがある。最低限知っておかなくてはならない。

切迫性尿失禁

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画像引用元:http://medick.biz/category/select/pid/167165

突然の強い尿意があると待てずに漏れる。膀胱自体の病気の可能性があるかチェックする必要性がある。

原因:
膀胱自体の異常:膀胱炎、膀胱腫瘍、膀胱結石。
神経の異常:脳卒中、脊椎疾患、神経変性疾患
その他:過活動膀胱

腹圧性尿失禁

尿失禁 分類

画像引用元:http://medick.biz/category/select/pid/167260

腹圧をあげるような動作に伴って漏れる。40〜50歳代の女性に頻度が高い。咳、くしゃみ、ジャンプなどの動作でおきる。これに対して骨盤底筋トレーニングはかなり効果的である。骨盤底筋トレーニングに関しては次回以降にまとめていく。

溢流性尿失禁

尿失禁 分類

画像引用元:http://medick.biz/category/select/pid/167160

強い尿排出障害のために多量の残尿が溢れ漏れる。これは男性に多い。尿排泄障害が背景にあり、残尿の増加から、尿閉になって尿が溢れ出る。常にダラダラと漏れる。放置すると腎機能の低下の危険があり、早期に受診をする必要がある。

原因:

前立腺の問題:前立腺肥大症、前立腺癌など
尿道の異常:尿道狭窄
神経の異常:脊椎疾患、骨盤内手術後など

機能性尿失禁

機能性尿失禁

画像引用元:http://medick.biz/category/select/pid/167135

膀胱など排尿機能そのもの以外の理由で漏れる。例えば、排尿障害、判断力などに問題があり、排尿をするまでの途中での問題。

原因:

認知症、寝たきり、コミュニケーション障害やトイレの位置、手すりの位置などの排泄環境の問題。

手すり位置の記事はこちら

Vol.359 トイレ理学療法士の挑戦③ 正しい手すり位置の検討

2016.05.24

尿失禁の評価

排尿日誌(Frequency-volume chart)

排尿日誌

画像引用元:http://www.kagu-uro.or.jp/wp-content/uploads/2015/05/150512img_03.jpg

排尿時刻、排尿量、尿失禁量、尿意切迫感などを数日記録する。導入部分で、なかなか受け入れが難しいかもしれないが、めちゃくちゃ大切な評価だ。

日本排尿機能学会のHPから3種類の排尿日誌がダウンロード可能です。
排尿日誌

問診

問診
主訴、現病歴、既往歴(婦人科および泌尿器科手術の既往、喘息、アレルギーの有無、服薬の確認)、出産経験(回数、鉗子分娩、吸引分娩の有無、出産時体重、会陰切開の有無)、どのようなときに尿失禁が起きるのか、尿失禁量、頻度、いつからか、合併として多い、尿意切迫感、残尿感、排尿困難、頻尿、便秘、便意切迫感、ガス失禁、便失禁、骨盤臓器の下垂感の有無などを聴取する。一度に全部聞くことは難しいので、じっくり運動指導の休憩時間などに聞いていくと良い。

ICIQ-SF(International Consultation on Incontinence Questionnaire-Short Form)

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質問紙法。尿失禁の臨床研究において使用することが国際尿失禁会議により推奨されているので、この評価法は外せない。「尿失禁頻度」、「尿失禁量」、「QOL」に関する3つの評価と、「どのようなときに漏れるか」というある程度の失禁タイプを分類する項目から構成されている。

0〜21点に点数化され、点数化高いほど、症状が重いことが分かる。

ダウンロードはこちらから
https://www.matubara.tokushukai.or.jp/medical/urology/images/urology-04.pdf

KHQ(King’s Health Questionnnaire)

質問紙法。KHQはQOLに関する質問に特化している。尿失禁が生活にどう影響を与えているかが分かる。「全般的な健康状態」、「生活への影響」、「仕事・家事への影響」、「身体的活動制限」、「社会的生活制限」、「人間関係」、「メンタル問題」、「睡眠・活力」、「重症度評価」の9つの領域、21の質問項目からなる。

0〜100点に点数化され、点数が高いほど、QOLへの支障度が高い。

英語版ダウンロードはこちら
https://www.nice.org.uk/guidance/cg171/resources/the-kings-health-questionnaire-191574685

日本語版ダウンロードはこちら(表8)
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php

QⅡ-7(Incontinence Impact Questionnaire–Short Form)

質問紙法。これもQOLに関する質問に特化している。7つの質問に限定されているので、簡易に評価できる。

英語ダウンロード

残尿測定

一般的には50ml以下の残尿は正常。近年は、超音波を使った残尿測定器が一般的である。

ブラッダースキャンシステム

ブラッダースキャン

リリアムα-200

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やったことがある。少しだけコツがいるが、簡単に残尿がどれだけあるかが分かる。このときは、250mlで少し我慢していたとき。通常膀胱に200mlくらい溜まると尿意は感じるので、測定値は正確なはず。

尿流量測定

尿流量

画像引用元:http://www.toto.co.jp/products/public_flowsky/urology.htm

一回尿量は200〜400ml程度、尿流率とは、尿量を尿流時間(尿が出ている時間)で割ったもの。150ml以上の排尿時で15ml/秒以上が正常。つまり10秒以内で尿を150ml溜まれば大丈夫というわけだ。

次回は、腹圧性尿失禁に対する理学療法についてまとめる。

 これまでにまとめた排泄関係の記事

前方手すりについての関連記事はこちら
タイのトイレ建設話はこちら

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 研修会

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日  時:2月5日(日)

時   間:09時50分〜16時30分

場   所:大阪府堺市堺区北花田口町 3 丁 1 番 15 号 東洋ビル 4F-7

参 加 費:5000円(学生は半額)

懇親会費:3500円

定   員:80名

申し込み:http://shiraimizuki8.wixsite.com/rehabilitation/rcs2016-1

やっと仕事でタイに行ける!

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青年海外協力隊としての活動中、人生最大の絶不調を味わった私は、自分のことを家族のように支えてくれたタイに恩返しがしたいと帰国後ずっと考えていました。

それも、ボランティアではない別の形で。

去年の4月からタイに調査に行ける予定でしたが、1年間延びて、ようやく今年の4月から、「仕事」でタイに行けそうです。

色々、公表できないこともあり、「岩田は今、何をしているんだ?」って思っていた方も多いと思います。

内容は、「飲み込み機能と運動機能の回復に向けたリハビリテーション事業に関する基礎調査」です。

タイでの2年間の経験を活かし、全力で頑張ります!

タイにいる関係者様、どうぞ宜しくお願いいたします。

https://www.jica.go.jp/press/2016/20170130_02.html

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yamazaki

若者よ、この国を出よ
第三回タイスタディーツアー

全く海外に対して興味がなかった私が、2年間、タイで青年海外協力隊として活動していく中で、海外にいるだけで日本人はアドバンテージとなる場合が多く、多角的に物事を捉えられるようになり、視野が広がり、チャンスは無限大だと感じられるようになった。まずは、夏休み、冬休み、卒業旅行で、海外旅行に行ってみて、自分の目で、日本以外の雰囲気を肌で感じてみるとよい。学生時代に、こんなツアーがあったら参加したかったと思えるスタディーツアーを企画した。タイの医療・福祉・リハを学べるツアーである。ぜひ参加してほしい。