私が青年海外協力隊に参加したきっかけは、三重県理学療法士協会が主催する新人教育プログラムであった。そのとき、「世界の理学療法」という講義を拝聴したから、今の自分がある。そこで耳にしたのは、その当時、世界の77カ国は理学療法士 が1,000人以下で100人以下のところも多いこと、リハビリの養成校すらない国があるという事実だった。「日本以外の理学療法士ってどんな感じなんだろう?」と疑問を持ち、これからのキャリアアップ、人生プランで迷っていた私は、「今しかいけない。行こう!!」と参加を決意した。
あれから約7年が経過し、今度は、自分が若い療法士へ、第28回三重県理学療法学会のシンポジストとして壇上から「海外の理学療法士について」話した。あの日の自分のように、「国際的視点をもった理学療法士」に憧れ、何か挑戦するきっかけを与えられたら嬉しいことである。
Contents
青年海外協力隊に参加したい人が読むべき記事ベスト5
シンポジウムの内容を要約
自分の10年間を振り返りました。グラフで表すと、分かりやすいのでオススメします。
これまで理学療法士は約500人派遣されています。全PT会員数でみれば、約0.3%くらいです。
きっかけ
今回、一番強調したかった部分です。この新人教育プラグラムがなかったら、今の自分はありません。感謝。
不安・葛藤
日本のことしか知らない方が不安だった。そして、療法士の数は増えるが、人口が減少する問題。悩んでいた時期です。
決めた要因
日本の理学療法士数は、世界から見てもとても多い。そして、これから高齢化を迎えるアジアにおいては、これまで日本が培ってきた制度やリハの研究がお手本になる可能性がある。
藤原先生、これからの働き方について教えてください。 100万人に1人の存在になる21世紀の働き方 (DISCOVER21世紀の学校)
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さらに、0.3%しかいない青年海外協力隊は、キャリアアップとしてもチャンスが大きいと感じ、自分の武器になるかもしれないと漠然と考えていた。最近では、1/10,000の存在になれば、勝ち残れると言われているが、まさに一つ目のキーワードは、青年海外協力隊に自分の場合はなるだろう。
現在の活動と今後
最後に、これからタイで行っていく予定の調査についてや、PT協会における国際化の方向性として考えられている、「アジア健康構想」や「シンガポールでの日本式認知症・介護予防事業」などについても説明した(協会HP参照)。こういった背景もあり、今後、ACPT加盟国との連携は強化されていくはずだ。
アジア健康構想とは?
講義では時間が足りなくて言えなかったが、ライフネット生命保険の出口さんが言っているように、若いうちは、「人に会う」、「本を読む」、「旅をする」に限る。
大会長賞
元職場の後輩が受賞。宣言通りは素晴らしい。今回の学会は、シンポジウムの座長はいつもお世話になっている木村先生、大会長は、非常勤先でお世話になっている山口先生、私の前のシンポジストは、七栗記念病院の谷野先生と、大変ホームでありました。ありがとうございました。
江戸さん帰国 オーストラリアの腰痛評価と治療が学べる研修会
第一回オーストラリアスタディーツアーでお世話になった江戸さんが、日本に一時帰国するときに合わせて、セミナーを名古屋と東京で7月に開催いたします。現地で、江戸さんの臨床を見させていただきましたが、臨床推論を学びたい療法士、スポーツトレーナーなどには本当にオススメです。
第一回オーストラリアスタディーツアーの様子
【日時・場所】
2017年7月1日(土)10:00〜16:00 国際医学技術専門学校 理学療法学科 2F
2017年7月8日(土)10:00〜16:00 エバーウォーク両国店
【講師】
江戸 英明先生(Life Ready Physio + Pilates Physiotherapist)
【講義内容】
・問診方法(鑑別診断の際にオーストラリアのPTが行う質問)
・評価
・視診
・触診
・AROM
・Over pressure(オーバープレッシャー)
・Combined movement(複合運動)
・Repeated movement(反復運動)
・PPIVM(脊椎の他動的関節可動域テスト)
・Pain Provocation Test(疼痛誘発テスト)
・Neural Tissue Provocation Test(神経誘発テスト)
【申し込み】