春は変化の季節だ。進学や就職など様々な環境が変わる。今年の春は、これからのリハビリテーションに変化を与えるであろう提言がなされた。排泄は、人間として基本的な機能だから、特に高齢者では歩行訓練よりも、自分で「排泄」できることを目指すべきだと訴えたのは、日本慢性期リハビリテーション協会会長の武久洋三先生。数年前「総合リハビリテーション療法士」という国家資格の創設をしようとして、話題になった医師だ。今回、リハビリテーション革命を行なうべきとして7つの提言を掲げ、その中に、「排泄リハ」の項目が含まれた。平たく言えば、「安易なオムツ使用はやめることで寝たきり老人は減る」といった内容だ。また、短期間でFIM利得を獲得しようとした場合、排泄関連動作に注力することが一番効率的だとの話もあった。去年の「排尿自立指導料」の算定から、「排泄ケア」のニュースが業界を騒がしくしていることは、花見の前には朗報である。桜は一時であるが、「排泄」の花は、満開が続きますように。
排尿自立指導料のことは以下より
Contents
- 1 尿道カテーテルの3割は外せる可能性がある
- 2 第52回日本理学療法学術大会 部門企画セッション
- 3 第4回日本慢性期リハビリテーション学会
- 4 当デイサービス利用者の2人に1人は尿失禁を有する
- 5 男性は、切迫性尿失禁の割合、女性は切迫性、次いで腹圧性尿失禁であろう割合が大きい
- 6 尿失禁に関する情報は約3割しか知らない(特に男性の半数は知らない)
- 7 治療の種類としては、約7割は知らない
- 8 尿失禁有する者で泌尿器科にかかったことがあるのは、約2割
- 9 尿失禁有り群で布パンツは5割、尿失禁無し群でパッドやリハパン使用者は約5割
- 10 これまでにまとめた排泄関係の記事
- 11 木村先生 優秀演題賞
- 12 本
- 13 第三回スタディーツアー募集開始
尿道カテーテルの3割は外せる可能性がある



第52回日本理学療法学術大会 部門企画セッション

幕張にて開催される第52回日本理学療法学術大会でも、ウィメンズヘルス/メンズヘルス部門として、以下の講演が企画されている。
排尿ケアに関する職種間連携と理学療法の可能性
日時:2017年5月12日金曜日 15:30-16:30
講師:吉川羊子医師(小牧市民病院泌尿器科排尿機能センター)
第4回日本慢性期リハビリテーション学会

第4回日本慢性期リハビリテーション学会での発表。WCPT2015以来の発表だった。簡単に内容をまとめていく。
WCPT2015の内容は以下
当デイサービス利用者の2人に1人は尿失禁を有する

男性は、切迫性尿失禁の割合、女性は切迫性、次いで腹圧性尿失禁であろう割合が大きい

尿失禁に関する情報は約3割しか知らない(特に男性の半数は知らない)

治療の種類としては、約7割は知らない

尿失禁有する者で泌尿器科にかかったことがあるのは、約2割

尿失禁有り群で布パンツは5割、尿失禁無し群でパッドやリハパン使用者は約5割


これまでにまとめた排泄関係の記事
トイレに関するこれまでの記事
木村先生 優秀演題賞

本
中山書店
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第三回スタディーツアー募集開始

日時:6月24〜28日(ホテル4泊)
参加費:70,000円
募集人数:10名
グローバル化が進み、国境のボーダーがなくなりつつあるなかで、島国日本のリハビリテーションしか知らないということは、今後ヤバイのではないか?
これは、青年海外協力隊に参加する前に、感じていたことだ。
残念ながら、養成校では、国外のリハビリテーション事情について学ぶ機会は限られているし、卒後教育の中でもほぼ皆無に等しい。
「じゃあ、そんな機会を作ればいいのか!!」
ということで、約3年前の在タイ中に、タイの旅行会社のお問い合わせフォームから、「タイの医療・福祉・リハを学べるツアーを企画したいので力を貸していただきたい」と数社に連絡をして、返答のあった一社の担当者と実際に会い、実現したこのツアーだが、今回で第3回目を迎える。
主な対象者は、リハ養成校の学生や10年目までの理学・作業療法士と考えていたが、これまでのツアーでは、福祉用具の社長さんやアスレチックトレーナー、タイマッサージ師、現地のタイ人PTなども参加してくれている。
これまでのツアー参加者満足度は100%(5段階評価で4以上)だ。
今回のツアーの目玉は、タイ古式マッサージを学べるところだ。
途上国などの医療を語るうえで、「伝統医療」は切っても切り離すことができず、特に田舎に行けば行くほど、重要な役割を果たす。
そこで今回、タイ王国第一級王立ワットポー寺院伝統医学校で外国人唯一の認定講師・宮原由佳先生にも特別にご一緒していただく。
その他、医療ツーリズムを受け入れている私立病院、ナーシングホーム、デイサービス、タイの家屋訪問、国内最大規模の公立障害者ホームなどを見学できる。
今回のツアーは、WCPT-AWP & PTAT CONGRESS 2017が6月27〜30日にタイで開催されることもあり、学会前に開催するので、学会参加者も参加していただきたい。
詳細、申し込みは以下より
http://www.zipangutravel.com/tour_medical.html