Vol.379 トイレが近い頻尿の方は、排尿日誌を記録してみよう

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トイレでの排泄ができなくなると意欲が低下し、寝たきりが深刻化する。実際、病院でも、オムツになってから認知症がひどくなったとか、元気がなくなったなどの話はよく耳にする。この話しは、ヴィクトール・E・フランクル著の「夜と霧」の中で、強制収容所の被収容者が、クリスマスから新年の間に大量の死者をだした内容と被る。クリスマスにはお家に帰れるという希望を持っていたが叶わず、落胆と失望が体の抵抗力にも影響を及ぼしたという内容だ。置き換えると、トイレで排泄したいと思っていたが、それが叶わなかったとき、「生きていることに、なにも期待がもてない」ということになってしまい、これまで出来ていたことが、急にできなくなってしまったりするのだ。私はこれまでにオムツの排尿体験を何回か行ってきたが、いまだに体位によっては、排尿開始までに時間を要す。できれば、誰もが下の世話にはなりたくない。そうならないためにも、排泄ケアに対する評価は非常に大切だ。特に排泄障害を有する方が、排尿日誌を記録することで、多くのことがわかるので、ぜひ一度、記録してみることをオススメする。

事例検討

排尿日誌
まずはこの排尿日誌をご覧ください。
排尿について相談を受けました。この排尿日誌を用いて、排尿についての評価を行い、アドバイスをしましょう。

アセスメントの視点

1.蓄尿について
 蓄尿についての情報を整理、分析する。2.排尿について
 排尿についての情報を整理、分析する。

3.考えられる問題
 1,2をもとに、推測される問題を示す。

4.さらに必要な情報
 問題を明らかにするために、他にどのような情報が必要か整理する。

アセスメント例

1.蓄尿について
 1回排尿量は200〜300ml。膀胱容量に問題なし。 

2.排尿について
 排尿困難の訴えもなし。夜間は排尿回数5回と頻尿であるが、残尿は少なく、
膀胱に尿を貯められないことはない。
 

3.考えられる問題
 夜間頻尿(5回)。やや多尿(2400ml)。 

4.さらに必要な情報
 就寝前の水分摂取量の確認、内服薬の確認(利尿作用ないか)、食事量や種類、
 家族歴の確認(糖尿病の有無など)、就寝環境の確認(室温・湿度)、既往歴、基礎疾患。

 

排尿日誌の目的

排尿の状態と問題を客観的に正しく評価する。

排尿日誌の記録内容

排尿日誌

記録するのは、排尿時刻(排尿時間)、一回排尿量、失禁の有無と量、尿意切迫感・残尿感などの自覚症状、水分摂取量と摂取時間など。

①1日の排尿パターン
②失禁の原因
③1日の水分のイン・アウトバランス
④治療(薬物療法、手術療法、理学療法など)の効果、ケアの効果(膀胱訓練、排尿誘導、間欠的自己導尿のタイミング・評価など)

記録の方法は以下より 

排泄日誌記録の注意点

・起床時の尿は、夜間に生成された尿であるため、「朝から起きるまで」に含める。
・最低2日間、3日間以上の記録が望ましい。

私も排尿日誌を記録してみた

排尿日誌

計量カップを握りしめ1日記録してみると、排尿回数、排尿パターン、排尿量やおよその膀胱容量などがよく分かる。2,000mlくらい排尿すると思っていたが、実際は、排尿量1,100ml(1回あたり250〜300ml)、排尿回数4回と思っていたより少なかった。以前行ったリリアムを使用した残尿測定でも、尿意を感じるときは、300ml程度だったので、今回の結果と同様であった。皆さんもまずは自分の排尿記録を!!

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第52回日本理学療法学術大会 部門企画セッション

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幕張にて開催される第52回日本理学療法学術大会でも、ウィメンズヘルス/メンズヘルス部門として、以下の講演が企画されている。

排尿ケアに関する職種間連携と理学療法の可能性

日時:2017年5月12日金曜日 15:30-16:30

講師:吉川羊子医師(小牧市民病院泌尿器科排尿機能センター)

これまでにまとめた排泄関係の記事


排尿自立指導料についてはこちら
(作業療法士が追記されました)

Vol.362 排尿自立指導料によるオムツ使用者ゼロ

2016.06.16
前方手すりについての関連記事はこちら
タイのトイレ建設話はこちら

Vol.346 タイでおむつ利用者が減らない理由

2015.11.09

Vol.340  タイでトイレを作る

2015.08.16

トイレに関するこれまでの記事

Vol.313 「トイレに行きたい」って聞かない タイで働く理学療法士

2014.12.10

Vol.305  WCPT2015とオムツ タイで働く理学療法士

2014.10.16

Vol.288 オムツの利用者を減らしたい タイで働く理学療法士

2014.06.13

Vol.164 リハビリテーション分野における排泄の意味

2012.06.25

排泄リハビリテーション-理論と臨床
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第三回スタディーツアー募集開始

KENJIのブログ

日時:6月24〜28日(ホテル4泊)
参加費:70,000円
募集人数:10名(残り5名)

今回のツアーの目玉は、タイ古式マッサージを学べるところだ。

途上国などの医療を語るうえで、「伝統医療」は切っても切り離すことができず、特に田舎に行けば行くほど、重要な役割を果たす。

そこで今回、タイ王国第一級王立ワットポー寺院伝統医学校で外国人唯一の認定講師・宮原由佳先生にも特別にご一緒していただく。

その他、医療ツーリズムを受け入れている私立病院、ナーシングホーム、デイサービス、タイの家屋訪問、国内最大規模の公立障害者ホームなどを見学できる。

今回、WCPT-AWP & PTAT CONGRESS 2017が6月27〜30日にタイで開催されることもあり、学会前に開催するので、学会参加者も参加していただきたい。

詳細、申し込みは以下より
http://www.zipangutravel.com/tour_medical.html

国際リハを学べる研修会

岩田研二
 

東京は、4月22日(土)13:00〜17:00に話しますので、興味のある方は是非!!(詳細はこちら

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本を出版しました!!

「日本人」で生まれた時点で、おみくじなら、大吉を引いたようなものだ。一方で、「このまま日本にいて大丈夫なのか?」とも、タイの成長スピードを肌で感じて思った。この本を通じて、凡人の岩田ができるなら、自分にも何か出来るはずだ、やってみようと行動に結びついてくれたら大変嬉しい。 岩田でも出来たことは、皆さんなら、もっと出来る!!