Vol.383 第三回タイスタディーツアーを終えて

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高度経済成長の波に乗ったタイは、もはや途上国ではないのかもしれない。メディカルツーリズムを推進し、バンコクの私立病院では、さまざまな言語が飛び交い、外国人患者で溢れている。タイの医師は、すでに、「日本から学ぶものはない」と言っている人までいる。一方、地方の公立病院では、待合室まで、ストレッチャーに乗った患者が、診察待ちや入院する部屋がなく、ごったがえしている。この格差は、保険診療の日本では感じとれない。今回で第三回をむかえたタイスタディーツアー。参加者のこれからの人生に、少しでもスパイスを加えれたらなと思います。

これまでのスタディーツアー

Vol.373 オーストラリアスタディーツアーを終えて -サムライ5人の海外挑戦-

2016.12.13

Vol.366 第二回タイスタディーツアーが無事終了しました。

2016.08.29

Vol.341 タイの医療福祉を学ぶスタディーツアーを開催

2015.11.09

タイの伝統医療「タイ古式マッサージ」を学ぶ

タイ王国第一級王立ワットポー寺院伝統医学校で、ヨガ、タイ古式マッサージについて学びました。

朝ヨガからツアーはスタートです。心が浄化されました。

どうして、伝統医療を学ぶかですが、途上国の医療にとって、伝統医療は、切っても切り離せない関係だからです。国によっては、薬草、呪文など、「絶対、効果ないやん」もあります。

近年は、エビデンスがないため、縮小傾向ではありますが、伝統医療は地方に行けば、根強く残っています。

今回は、外国人唯一のワットポー認定講師・宮原由佳にご指導いただきました。

参加者の感想

初めてタイヨガを体験してみて、正直、ポージングが難しかった。笑 参加者の方には年配の方もいましたが、座位でできるヨガの指導も行なっていていいなと思いました。 古式マッサージは朝からできたこともあって、その後の移動も疲れが軽減できたかなと思います。仕事柄、徒手療法を用いることがありますが、脈絡に対するアプローチを感じることができたと思います。

「死体博物館」で気分が悪くなる

 

ラマ9世プミポン国王がお亡くなりなったのが、タイ国内最大最古のシリラート病院。その病院敷地内に、「医学博物館」があります。

ミイラやホルマリン漬けされた死体があることは、私も青年海外協力隊のときから聞いていて、一度訪れてみたかった場所でした。

参加者の誰よりもワクワクしていたが、中に入ると……。

例えば、レイプ犯が電気ショックで処刑されており、ミイラ化されたものが、そのまま展示してあります。

「レイプ」をしたら、お前もこうなるぞ!!とメッセージを発信しているのです。

その他、奇形児などもホルマリン漬けされた状態で保存されています。

勇気のある方は、こちらの写真をクリック
https://hbol.jp/125032/dsc05181

参加者の感想

 医学博物館は一般のタイ人や僧侶もちらほら観覧しているを目にして人体への興味関心があるんだなと感じていました。 花市場に関してはタイ医学として薬草学についても学ぶということから、生姜などを売っている方の話を聞けたことは貴重な経験でした。

JICAのプロジェクトサイトを見学

 

青年海外協力隊員の東山さんが活動する、バーンシートン高齢者障害者リハビリテーションセンターを訪問しました。

ここは、JICAの「要援護高齢者等のための介護サービス開発プロジェクト」の中核サイトです。

JICAプロジェクトLTOPについてはこちらから
https://www.jica.go.jp/project/thailand/015/index.html

ご存知の通り、タイには介護保険がなく、日本のような在宅支援サービスがありません。

どのように、虚弱高齢者を支えていくかが、議論されています。

人口のおよそ3%が寝たきり状態と言われており、この地区では25人、タイ全土でみれば、人口6,800万人の3%なので、204万人も寝たきりの方がいることになります。

現在、家族や、タイ全土に100万人以上のヘルスケアボランティア、10万人いる高齢者ボランティアなどを中心に支えあっています。

このセンターでは、通所・訪問型サービスを行っています。

送迎者も、日本のような介助車ではなく、普通車であるため、段差があり送迎は大変です。しかし、働いていたタイ人スタッフが、「この方は、これは自分で出来る動作だから、自分でやらせて」と言っていたのを聞いて、鳥肌がたちました。

IMG_5891 →動画はコチラ

なかなかタイでは、「全部手伝う」or「手伝わない」の2つに分かれ、出来るところは自分でやってもらうという感覚は少ないです。

これには、文化的背景もあり、相手に対して良いことをしてあげると、自分や来世に良いことがおきると考えていることもあります

そのため、全部手伝ってしまうことが多いです。

しかし、ここの職員は、各利用者に合わせて個別のメニューを提供し、自分で出来ることは、してもらっていた。

これは、時間をかけて、東山さんが教育したからなんだろうなー。

面白かった取り組みは、LINEを使って、多職種で情報共有しているところ。個人情報の管理のゆるさを感じますが、スピード感はあります。

参加者の感想

通所の方はとても家族的な雰囲気が印象的でした。給料のためでなく、利用者のためにボランティアでやっているということも大きく影響しているのかと感じました。スタッフ、利用者ともに主体的に行えているせいか、皆さんの表情がとても豊かでこちらも自然と笑顔になりました。 訪問では実際の住居が予想していたものと全然違い驚きました。限られた資源の中でどうすればいいか、未だにいいアイデアが思いつきません。 少しですが実際に利用者さんと触れ合える時間もあったのが嬉しかったです。

全介助方法について参加者で検討しました

高齢者宅を訪問し、介助方法について話し合いました。ベッドの高さが変わらない、車椅子はアームレストが外せないなどの環境下で、最適な2人介助を提案しました。

タイハウスを訪問

一般のタイ人がどんなところで生活しているか想像できますか?

基本的に、タイは高床で生活空間は2Fとなり、階段昇降が屋外に出るためには必須となる場合が多いです。日本と同じ考え方では、通用しません。

タイ最大の公立の障害者ホーム

私の活動先のプラプラデーン障害者ホーム。この施設との繋がりは、ずっと続いていくと思います。9月には、ボランティアツアーも個人で開催します。この施設では、自助・互助の大切さを2年間の活動を通して学ばせていただきました。職員が少ないなかでも、「生活」が成り立つヒントがあります。

詳しくはこちらから

参加者の感想

入所者に対しスタッフの少なさに驚きました。車椅子を押したり、オムツ交換したりと入所者同士の助け合いを実際に見て、日本も学ぶべき点が多々あると思いました。 作品作りで仕事をして稼いでいる入所者もおり、入所者同士で格差があるのが面白いと思いました。

5つ星ホテル並みの病院を訪問

 

バムルンラード病院では、リハ部門のトップからメディカルツーリズムではどのような疾患をもった患者が多いのか、どんな治療をしているのかなどを聞かせていただきました。

アラブの石油危機により、アラブ人の患者が減り、これまで多くのアラブ人は、脳卒中で入院していたために、結果的に、脳卒中患者が減少しているという話は、国際病院ならではだと感じました。

リハ室は、去年より、上肢ロボットが増えていました。Dry Needingが可能ということもタイのPTの特徴の一つかもしれません。

参加者の感想

一流ホテルのようで本当に本当に驚きました。勤務先の病院より明らかに充実したリハビリ機器もあり、想像していたものの遥か斜め上を行っていました。 PT・OTが完璧に別室で治療を行っており、OTは上肢、PTは下肢、など治療の対象とする部位も分かれている、というお話を聞き、それで生活場面にも焦点を当てた適切な治療が提供出来るのかは疑問に思いました。

日本は医療後進国だった

毎年お世話になっているサミティベート病院の薮崎先生と松尾さんに、タイの医療事情や自由診療の良し悪しについて教えていただきました。2020年の東京オリンピックまでに、英語が通じる病院はどこまで増えるのでしょうか?

参加者の感想

自由診療について問いかけられた時、自由診療が可能になると実際どうなるのか、現在の日本の経済状況はどうか、など、考えが至らず、もっと多角的に医療・社会情勢を学ぶべきだと気付かされました。貴重なお話を伺えて大変勉強になりました。 しかし公立病院の状況を聞いて、前日に訪問を見学していたこともあり、貧困層との医療格差に悲しい気持ちになりました。もう少し貧困層の人々も適切な医療が受けられればいいのにと感じました。

ナーシングホームは少ない

 

タイでは家族介護、さらにメイド文化が残っており、施設に親を預けることに抵抗感がある場合も多いです。しかし、高齢者の増加(特に独居)、家族介護力の低下などから、ナーシングホームなどの居住型サービスの需要は高まっています。

富裕層は、自宅での居住希望が強いため、今後は中間層(特にアッパーミドル層)が居住型サービスを利用する対象となります。

今回、日本語堪能なバンコク病院の医師レヌー先生に、Elderly Care Nursing homeを案内してもらいました。およそ3万バーツ(約10万円)で医療・介護・食事代も込み。日本人も数名入所されていました。ナース・エイドと呼ばれる資格者(6ヶ月で取得可能)が介護や簡単な医療行為を実施しています。

驚いたのは、「基本、カテーテルはいれっぱなしにしません」とレヌー先生が説明したことでした。日本ですら、理由なくカテーテルを留置したままの方がいるなか、レヌー先生の考え方を聞いて、このナーシングホームの将来性を感じました。

参加者の感想

日本の療養病院と似たような印象でした。 タイでの高齢者の介護の考えや認知症に対する認識の違いをレヌー先生の話を聞きながら知ることができていい機会だったなと思います。 タイの介護士、看護師の現状やナーシングホームの数の少なさが今後問題視されてくるのも今回の視察がなければわからなかったことだと思います。

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昔からお世話になっている石井病院(群馬県)が合弁でタイにリハクリニックを設立しました。以前から、苦労話も聞いていたので、自分のことのように、嬉しいです。これからが勝負だと思いますが、応援しています。将来、何か一緒に出来れば嬉しいですね。

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タイスタディーツアーに興味のある方へ

IMG_5888 タイに来たなーと感じるチャオプラヤ川の動画はこちら

第四回タイスタディーツアーは来年を予定しておりますが、問い合わせが多ければ、今年度中にやりたいと思っています。興味のある方は、こちらにご連絡ください。12月には第2回オーストラリアスタディーツアーも計画しております。

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 研修会

第92回理学療法科学学会でお話させていただきます。

詳しくはこちらから

本を出版しました!!

「日本人」で生まれた時点で、おみくじなら、大吉を引いたようなものだ。一方で、「このまま日本にいて大丈夫なのか?」とも、タイの成長スピードを肌で感じて思った。この本を通じて、凡人の岩田ができるなら、自分にも何か出来るはずだ、やってみようと行動に結びついてくれたら大変嬉しい。 岩田でも出来たことは、皆さんなら、もっと出来る!!