先日のセミナーでは、ふと、あの頃の記憶がよみがえった。
タイの障がい者ホームに派遣されて、1週間が過ぎた頃に思ったことだ。
障がい者の数=480人
介護士の数=25人
日本の病院・施設で働いていたことがある方なら、きっとこう思うだろう。
3人の入所者が階段を順にあがっている写真。一見、なんの変哲のない写真にみえるが、実は、後ろの2人は全盲(まったく目が見えない)なのだ。一番前をいく入所者が、2人の行く先を誘導している。
介護士が少ないなかで生活が成り立つ理由がよく分かった。上の写真のように、入所者達で支え合って生活しているのだ。もちろん、日本で同じことをやって事故でもおこしたら、訴訟になる。しかし、私は、これから日本で予想される介護士の不足問題に対しては、こういった当たり前に助け合う精神を軸に、一部に専門職の助言があれば、成り立つのではないかと考えている。
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このように、職員と入所者で「する-される」の関係がなくなり、 入所者が職員に指導する上写真(車椅子の修理の仕方を職員に伝えている)のような関係が生まれていた。
Contents
途上国で、専門性を出せば出すほど、、、
彼らは、助け合いながら、生活していた。それも、肩の力がぬけた状態で、とても自然だった。
そんななか、よく分からない日本人がやってきて、「あれしましょう、これしましょう」なんて言っても、これっぽっちも伝わらない。
途上国で、専門性を出せば出すほど、かえって、存在が、不必要になってくるケースもあるのだ。
日本に帰国直前に書いた記事
リハスタッフのキャリアを考える(国際保健)
第三回とちノきセミナーの世話人会で、メディヴァの吉村くんと、主に帰国後のキャリアの現状についてお話しさせていただき、先生方からご意見をいただいた。
代表世話人の森博威先生とタイでお会いしていなかったら、実現していないだろう。
色々な出会いが、繋がっていくのはとても喜ばしい。
森博威先生に初めて会ったときの写真が出てきたが、私は、病人のような容姿だ。
リハ職の国際保健キャリアのロールモデルは少ない
医師・看護師とは違い、なかなか日本にいながら海外を往復するスタイルはとても形成しにくい。
雇用側の旨味が少ないからだ。
高山義浩先生からも、「地域でもリハ専門職のプレゼンスは弱い」と言われ、確かにその通りだと思ったが、逆に協力隊の経験者は、もしかしたら、その弱さを補え、コーディネーターの役割が果たせるのではないかと感じた。
実際、被災地や離島で多くの帰国隊員が活動している。
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とちノきネットワークとは?
とちノきネットワークは「途上国で働きたい」「地域医療に携わりたい」そんな思いを持つ医療従事者のために、途上国の地域医療実践など教育の場の情報提供や、途上国の医療、保健、研究に携わる医療従事者が日本の地域医療に従事する際の情報など、様々な支援を行っている。
定期的な情報交換や学術集会等を通して、途上国および日本国内での地域医療の実践に不可欠な、臨床、疫学、公衆衛生的視点を培っていくことがこのネットワークの活動目的である。
とちノきは、次の3つを活動目標として掲げる。
(1)途上国(低所得国)の地域医療実践、教育の場(医療、保健、研究)の情報を提供する
(2)途上国(低所得国)の医療、保健、研究に携わる医療従事者が日本の地域医療に従事する際の情報提供を行う
(3)ホームページ、Facebook、メールマガジンなどによる情報交換と学術集会等を通して途上国および日本国内での地域医療の実践に不可欠な、臨床、疫学、公衆衛生的視点を培う
第三回とちノきセミナーのテーマは「災害」。
国内外の災害時に、医療従事者として支援活動に参加する
以前まとめた災害の記事
入会は無料です。登録はこちらから。
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途上国で、リハは必要なのか?