先月のバムルンラード病院に引き続き、医療ツーリズムで有名なバンコク病院のリハビリテーション室を見学させていただいた。バムルンラード病院はロボット療法を積極的に取り入れているのに対して、バンコク病院は水治療法でプールの部屋があり水中運動療法を売り出している印象を受けた。リハビリテーション室はバムルンラード病院と同じような雰囲気で大部屋の隅に個室の治療室がいくつか設置してあった。メディカルツーリズムの患者はおよそ15%程度で手術後にリハビリテーションを受けるケースが多いそうだ。駐在の日本人の利用もあるとのこと。バンコク病院とバムルンラード病院での共通の問題点として言語聴覚士の不足が挙げられる。PTとOTは30名程度いるがSTはどちらの病院も非常勤で2名だけ(給料も高給)。2013年の時点で有資格者は259名(日本:22000人)でタイの人口が日本の半分と考えても圧倒的に少ない。そのうち政府機関で働いている療法士が半数程度で、病院に配属されているケースはまだ少ないようだ。そのためタイでは作業療法士が言語療法士の代わりとなっている場合が多い。私の活動先の障害者ホームでは「食事」に関しては普通食しかなく、とろみ食などという考え方はまだない。おそらくタイにおいては多くの病院でも同じようにとろみ食など存在しないのではないだろうか。利用者がむせていようが職員はお構いなしである。職員に対してどのように指導すべきか、私1人での限界を感じてしまうことが度々ある。タイの公立病院や障害者ホームで「嚥下」に関してアプローチを行う日が来ることはだいぶ先の気がしてしまう。
本
「タイにおけるリハビリテーション医学の現状」が紹介されています。
バンコク病院
現在は東南アジア地区において最も大きい私立病院の一つである。世界でも最先端の治療を提供する医療機関の一つであり、毎日2,500人を超える患者が来院する。80検査室、ベッド数は550床を超える。病院には20を超える専門科がある(wikipediaより引用)。日本人専用センターも完備されており、通訳もいる。私もお世話になったが安心して受診できる病院である。病院内にスターバックスも日本料理屋もある。
リハビリテーションのサービス&プログラム
理学療法&リハビリテーションプログラム
* 神経障害の理学療法
* 肺疾患のリハビリテーション療法
* 作業療法
* 鍼療法 & 疼痛管理
* スポーツ医学療法
* 整形外科障害の理学療法
* 水中療法プログラム
* シグナルリハビリテーション・サービス
* 呼吸筋強化プログラム
* 移動式総合リハビリテーションプログラム
* タイ式アーユルヴェーダ
理学療法のサービスとプログラムだけでなく、当センターは、患者様のリハビリテーションと早い回復の助けとなる様々な療法や技術をご提供できるよう設計されています
* 首&背中の牽引
* 深部温熱療法
* 浅部温熱療法
* 低温圧縮療法
* 運動療法
* 水中療法
* 電気刺激
* マッサージ
* 体位ドレナージ
* 心臓リハビリテーション
* 脳卒中の作業療法
* 小児作業療法
* ADL(Activities for Daily Living: 日常生活動作)訓練
* 発話訓練
* 脊椎・肢装具
以下より引用
https://www.bangkokhospital.com/jp/centers-and-clinics/Rehabilitation-Center/index.php
特徴的なのは赤字。アーユルヴェーダとはインドの伝統医療。タイ古式マッサージよりタイ式アーユルヴェーダとは驚いた(実際に治療は見ていないので何とも言えない)。水中療法ではプールの部屋があったが現在改装工事中。タイ全土にはリハビリテーション医が現在500人程度いるが、バンコク病院には非常勤も含めるとかなりの数がいると思われる。
勉強会の案内
① Bridge
② 岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
① Bridge
【テーマ】
心を脳科学、行動分析から考える
【日時】
5/18(日) 10:00-16:00
場所:刈谷市中央生涯学習センター(刈谷市総合文化センター内)
【受講費】
2000円
【定員】
残り10名
【講師】
「心と脳科学」
坪井 祥一PT:岐阜脳卒中リハビリテーション研究会 代表(ブログ←クリック)
「心と行動の関係性」
Bridge管理人
6月14日(土)と7月5日(土)にもケーススタディーを予定しております。
http://bridgetherapist.blog81.fc2.com
② 岐阜脳卒中リハビリテーション研究会
【テーマ】
運動イメージ
【日時】
H26年6月21日(土) 18:30~20:30(予定)
【受講費】
無料
【定員】
なし
【プレゼンテーター】
加藤 勇気 先生
(PT | 医療法人社団カワムラヤスオメディカルソサエティ 河村病院)
http://gifunousocchuureha.blog.fc2.com