このCMには驚いた。なんと樹木希林さんが認知症になっているじゃありませんか?現在、約3,560万人いる世界の認知症患者数は2050年には世界で1億1,540万人と3倍に増加するとの試算を「Dementia: a public health priority」で発表しているが、きちんと診断されているケースはおよそ1/5程度と言われている。今後、認知症を有する患者さんが増えてくることが予想される。CMでの樹木希林さんのようなおだやかな認知症老人ばかりではない。ロックンロールと叫ぶ老人もいるかもしれない。
ということで、認知症について(リハビリ介入前に知っておきたいこと)まとめる。
認知症の中でも2つの種類に分けられる。
CMでの樹木希林さんのような「おだやかな認知症老人」と
ロックンロールと叫ぶ「困った認知症老人」だ。
しかし後者を前者に変える余地はある。
認知症患者と接する上で知っておかなければならない点
①知的能力の低下と比べて、自尊心とか羞恥心といった感情は残る。
②記憶力の低下で問題なのは、忘れたという自体を自覚できていないところにある。
つまり、自尊心や羞恥心を尊重する態度で接することが上手な付き合い方である。
それはその人らしさ(一番輝いていた頃の話)の部分を言ってあげること。(仕事の話、戦争の話など)
叱ることは全く意味がない。
*人間の根源的な部分に関わるこの3つが主。
自分も言ったことがあるがこれらは駄目だ。
①ご飯を食べた数分後「ご飯ください。飢え死にさせる気ですかー」と叫ぶ患者に対して。
→「さっき食べましたよ。」
②トイレに行ったことを忘れて数分後「トイレ連れてってー」と叫ぶ患者に対して。
→「さっき行ったじゃないですか。」
③「家に帰らせてください」と叫ぶ患者に対して。
→「入院しているので帰れませんよ。」
認知症になると日常の連続性が成立しなくなるため、食事をするたびに次の食事が本当に食べれるだろうかといった心配がリセットされる。
彼らの「まだ食べていない」は「まだ次の食事を食べていない」と解釈すべきである。
そのように考えると、
①「今、用意していますからね。」「食べたいものはありますか?」
②「今、順番に回っていますからお待ち下さいね。」
③「今日は、もう遅いですから,一晩泊まってからお帰り下さい」(付き添って歩いた後)
などの対応が良いだろう。
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近藤先生に紹介していただいた本です。上記の内容が書かれています。
最近、第二版が出版されましたよー。