理学療法ジャーナルの47巻5号(2013年5月号)の特集テーマとして「臨床実習」を取り上げており、養成校の学生、若手の理学療法士に「臨床実習について言いたいこと、期待すること」を募集していた。当院からもスタッフ1名が投稿した。私も今のリハビリバブル崩壊時代に必要な臨床実習とは何なのか考えてみた(あくまで個人的な意見)。
伝えたいポイント
①患者に変化を出せるセラピストの育成
②PT=足、OT=手の考えでは駄目
これは私も自信をもってできているとは言えないのでエラそうなことは言えない。私が学生だっと頃の臨床実習はレポートとの戦いという記憶がある。歩行分析で「立脚〇〇に股関節〇〇、膝関節〇〇」とかをひたすらレポートに書いた。患者をみるよりも「基礎運動学」の教科書と格闘していた。バイザーの先生から教えてもらったことは、おもに文章の構成力と忍耐力だろう。唯一、実習生の時、感動したことといえば、冨田昌夫先生の臨床で患者が劇的に変化したことである。
「まじすげー」
「まじかっけー」
「神」
「理学療法士ってすげー」
今、考えると、この「理学療法士ってすげー」という気持ちに学生をさせられるかが大切だと思う。
「実際に患者を治療して目に見える変化を出す」
"目にみえる変化"
これが大事。
こういった経験が、「あー この先生すげーな」「この仕事、面白いな」という感情を生む。
これは学生だけでなく後輩セラピストの教育法にもあてはなる。
臨床実習でリタイアする学生が増えていると聞くが、ひとつに学生自身のメンタルの問題もあるが、レポートばかりを要求し、たいした治療もできないセラピストが多すぎるからだと思う。
ただ一年そこそこで技術がつくほど、この仕事は甘くなく、高い研修会にみんな自腹で参加している。
最近は安くて質の高い勉強会も増えてきていますので東海地方の方は是非、下記をチェック。
① SIGNAL
② Bridge
④ ASRIN
学生時代お世話になった教科書
運動学は大切だ。
私が学生だったころ、お世話になった実習先の回復期リハ病棟ではPT=足、OT=手を扱うような印象をうけた。役割分担ができているのかもしれないが、最近はセラピストの激増とは裏腹に回復期リハ病棟でのOT不足が深刻みたいだ。国家試験の合格者の減少とOTの養成校の定員割れなどが原因でOT が回復期では希少価値が高い。このままOTが減っていくと,それこそPTがOT分野の知識・技術を学ばなくては患者に最悪な結果を導きかねない。理学療法士は歩行だけやってればいい などの考えはもってのほかでバブル崩壊にむけて作業療法、また言語療法の最低限の知識・技術の獲得は必要であろう。
今後必要となってくる本
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PT VS OT
海外でもPT=歩行、機能障害に対する治療の印象が強いのかな。
参考BLOG
http://29933059.at.webry.info/201111/article_8.html
嬉しいこと
大学院の時から、連絡を取り合っていたTAKAさんの月刊スポ-ツメディスン 2012年9・10月合併号 通巻144号で下記の連載記事が掲載されている。僕が勝手に波長が合うと思っているかっこいい人。笑
新連載 オーストラリアでPhysiotherapistを目指して
Physiotherapist(理学療法士)への第一歩
三木貴弘・理学療法士