私はタイで理学療法士として活動している。しかし、私の活動先には理学療法士がいないため、タイの理学療法士の臨床・研究・教育の実際があまり分かっていなかった。そのため、見学させていただいたた大学・病院・施設などで話した療法士から、タイの理学療法士はこんな感じだろうと推し測っていた。そんな中、タイ人の友達から「ケンジ、学会く...
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「リハビリテーション=訓練」という誤解はタイでもある。以前、私は週刊医学会新聞のなかで、どのような状況であろうと、個人の「尊厳」の保持・向上を目標としながら「○○をしたい」という感情を引き出すこと、そこにこそリハビリテーションの存在価値があり、国が変われど、まさしく日本語訳のとおり、「全人間的復権(人間らしく生きる権利...
私の活動先には480名の障害者が入所しており、半数近くの方は車椅子で生活している。車椅子の使用目的は多岐にわたるが、私の施設では、ある程度の時間を過ごす安楽椅子として使用されている場合が多い。そして、日本ではあまり見かけないくらい劣化した車椅子に座り続けている。タイヤやブレーキ不良の問題は勿論だが、気になるのが、車椅子...
理学療法士・作業療法士は、これまで合わせて1000人程度、青年海外協力隊に派遣されている。しかし、帰国後は、多くの療法士が国際協力とは何ら関係のない病院・施設に戻る場合が多い。なぜか? それは、国際活動を支援する病院が圧倒的に少ないからである。帰国後、教員・進学(国内・国外)を選択する方の多くも、病院に勤務しながら、国...
「前世のせいで私は病気になったんだ。」、「障害は神様の業である。」、「メッカにお祈りしにいく時間です。」など宗教感の違いにより、リハビリテーションが円滑にすすまないことが他国ではよく生じる。このTEDの動画では、日本の仏教は寛容性があると述べている。これは、日本では特別な宗教心というのものを植えつけられていないからであ...
国際色豊かな多文化都市、食の宝庫と呼ばれているシンガポール。今回の目的は、世界理学療法連盟Congress2015に参加・発表し、自分の立ち位置を確かめることであった。感じたことは、日本の理学療法の研究レベルは高いが、「英語」という言葉の壁が非常に高く、世に出回らないことだ。今回も、日本からの参加者は多かったが、口述発...
「私、水かけ祭りに行きたい」と先週、入所者のひとりが運動療法をしているときに私に笑顔で話しかけてきた。私の活動するプラプラデーンという郡は、東南アジアの先住民族であるモン族が多く住んでいたことで知られ、水かけ祭りの他に、伝統的な催しが行われることで有名である。施設内でも水かけ祭りは行ったが、なかなか施設の外に出ることが...
タイでは時間単位ではなく、治療内容によってリハビリテーション料が決まる。ホットパック:60バーツ(210円)、渦流浴:130バーツ(450円)、トレッドミル:80バーツ(280円)、歩行トレーニング:80バーツ(280円)、指圧・マッサージ:80バーツ(280円)といった具合だ。この表からも、物理療法の占める割合が高い...
「海外との距離は近いようで遠いのかもしれない」各大学のリハビリテーション養成校のシラバスを調べた報告では、「国際」「海外」という語のつく科目のある養成校は5%程度しかない(渡邊:2012)。さらに、海外の大学と国際交流協定(MOU)を締結している大学は7.7%と報告されている(yamamoto J:2013)。LCC(...
遠く離れた日本から「文章書くの上手くなったね」と親からメールが届いた。小学生の頃の作文では「あとがき」をほぼ丸写しして提出していた自分を知っているのだから、驚いたのだろう。最近では原稿依頼を受けるようになってきた。そのきっかけを辿って行き着くのは、このブログの存在かもしれない。大学院で論文を書く際に、自分の文章能力のな...
途上国で理学療法士として活動先で感じることの一つに、”量”の不足がある。早期リハビリテーションの考え方は、まだまだ不十分で、私が個人レベルで頑張っても、なかなか早急にタイの政策を変えることは難しい。しかし、入所者の多くは廃用性の要素が大きいため、発症から数年経過していても、運動量を確保できれば、多くの入所者の機能レベル...
日本人:「SUKIYAKI体操って知ってる?」タイ人:「もちろん知ってるーーー。」日本人:「どんな体操なの?」タイ人:「タイの高齢者に向けて作成された体操で、なんか体操のなかに、力士が四股(しこ)を踏むように腰を落としたり、侍が剣を振り下ろすように腕を動かしたり、日本文化を織り交ぜた体操みたいだよー。」日本人:「なんか...
青年海外協力隊に興味のある方へ
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